◎同国で憲法を改正するためには上下両院の3分の2以上の賛成と、全国の州議会の3分の2以上の賛成が必要である。
メキシコのシェインバウム大統領(ロイター通信)

メキシコの与党・国家再生運動(MORENA)が連邦議会が賛成多数で可決した憲法改正案に異議を唱えることを禁じる憲法改正案を可決・成立させた。

同国で憲法を改正するためには上下両院の3分の2以上の賛成と、全国の州議会の3分の2以上の賛成が必要である。

この改正案は1日に公布された。

司法はこれにより、国会と州議会を通過した憲法改正案に異議を唱えたり、差し止めることができなくなった。

司法はこれまで、憲法改正案が既存の憲法や国際条約に違反しているかどうかを判断し、必要に応じて差し止めたり、無効にすることができた。

MORENAはこれまで、国民の代表である国会が承認した憲法改正案に司法が待ったをかけることに不満と怒りをぶつけてきた。

MORENAの創設者であるオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領はいくつかの政策や憲法改正案が司法に阻止されたことに腹を立てていた。

例えば、オブラドール政権が国営電力会社に市場シェアの過半数を割り当てる改正案を成立させようとしたとき、裁判所は憲法ならびに国際法に反すると判決を下し、これを無効とした。

オブラドール氏は9月末に退任したが、後任のシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領はその政策を継続すると宣言している。

憲法の一部や改正案が憲法や国際法に違反するとして、裁判官がそれを覆したり、無効にできる権限を有することに異議を唱える人は一定数いる。

専門家によると、国際司法裁判所で今回の憲法改正に異議を唱えることは可能とみられるが、審理には10年単位の時間がかかる可能性がある。

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