◎フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。
薬物依存症のための薬物療法を受ける女性(Getty-Images)

メキシコ連邦警察のガロ(Felipe de Jesus Gallo)長官は25日、「同国はフェンタニル製造のチャンピオンである」と発言したことを謝罪した。

ガロ氏は今週の記者会見で、「メキシコは1990年代からメタンフェタミン製造のチャンピオンであり、現在もそれを製造し続けている」と述べていた。

しかし、オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は同じ日の定例会見で複数の麻薬カルテルがフェンタニルを製造しているという米捜査当局の指摘を否定。「カルテルは国外から持ち込まれたフェンタニルを偽造して偽薬を作り、米国などに輸出しているだけだ」と主張していた。

連邦警察の長官事務所はAP通信の報道を引用し、「ガロ氏の発言は不適切であった」と謝罪した。

また同事務所は「ガロ氏は不適切な言葉を使ったことを認め、謝罪するが、メキシコにおけるフェンタニルの製造、輸出、取り引きに対する戦いを強調するためだった」と述べた。

オブラドール氏は25日、ガロ氏の発言を「とんでもない間違い」と非難。「メキシコはフェンタニルの製造に関与していない」と改めて主張した。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。

世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」などの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸している。

メキシコで流通するフェンタニルの量は米国に流れる量の3割程度と推定されている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク