◎麻薬カルテルの構成員が首領の逮捕に憤慨し、銃を乱射したとみられる。
メキシコ当局は28日、米国との国境に近い北部ヌエボラレドで銃撃戦が発生したと報告した。地元メディアによると、死傷者が出たかどうかは不明。
在メキシコ・米国領事館はこの地域の米国民に避難勧告を出した。
銃撃戦は28日未明に発生したと伝えられている。
メキシコ政府は声明で、「麻薬カルテルのテロリストが首領の逮捕に憤慨し、銃を乱射したようだ」と述べているが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
ヌエボラレドは麻薬密輸組織セタスから分裂したカルテルが支配している。
米領事館は「市内で銃撃戦が繰り広げられているという情報がある」と述べ、米国民に外出を控えるよう呼びかけている。
AP通信は関係筋の話を引用し、「この地域を支配するカルテルの殺人部隊が事件を起こした」と報じている。この部隊は警察や軍隊と何度もトラブルを起こしているようだ。
APによると、警察は「ニグロ35(Negro 35)」と呼ばれるカルテルの首領を逮捕したという。ニグロはスペイン語で黒人を意味するが、首領が黒人かどうかは不明。
ヌエボラレドの市長は28日、「市内の学校が閉鎖され、バスも運行を停止している」と報告した。市長によると、市内の複数の地点で銃声が確認され、警察が対応に当たっているという。
ソーシャルメディアで共有された動画には住民とみられる人々が銃声が聞こえる中、どこかに避難する様子が映っている。
メキシコの麻薬カルテルは関係者が逮捕されると拘留や移送を避けるために騒ぎを起こすことがある。地元メディアによると、ニグロ35は首都メキシコシティに移送されたという。
ヌエボラレドはカルテルの暴力に何度も直面している。
今年3月には警察車両が攻撃を受け、米国は領事館と検問所を一時的に閉鎖した。この事件もセタス関連のカルテル首領が逮捕された後に発生した。
この首領はセタスの最高幹部であった悪名高いミゲル・アンヘル・トレビノ(別名Z-40)容疑者の甥と伝えられている。