◎米麻薬取締局(DEA)は今年4月、この男の逮捕につながる情報に300万ドルの報奨金をかけていた。
メキシコの麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」の警備責任者とされる男が逮捕された。警察当局が22日、明らかにした。
それによると、この男は22日午後、シナロア州クリアカンで逮捕されたという。この男は組織内で「エル・ニーニ」と呼ばれているようだ。
米麻薬取締局(DEA)は今年4月、エル・ニーニの逮捕につながる情報に300万ドルの報奨金をかけていた。
DEAによると、エル・ニーニは米国内にフェンタニルを密輸・流通させたとみられる。メキシコ当局はこの男が複数の殺人と拷問に関与したとして指名手配していた。
AP通信は元DEA職員の話しとして、「エル・ニーニは完全なサイコパス。狂った男であり、逮捕はメキシコにとって素晴らしいことだ」と伝えている。
この男は米国で収監中の麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子たちを保護し、その麻薬ビジネスに手を貸したとされる。
息子たちはシナロアカルテルの一派を率いており、米国にフェンタニルを密輸するビジネスで利益を上げているとみられる。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。
米国ではフェンタニルの過剰摂取で毎年7~8万人が死亡している。