◎94人を乗せた貨物トラックは高速道路の路肩に放置されていた。
2022年7月28日/メキシコ、東部ベラクルス郊外(Getty Images/AFP通信)

メキシコ当局は28日、東部ベラクルス州で中米の亡命希望者94人を保護したと発表した。

国境警備当局によると、94人を乗せた貨物トラックは高速道路の路肩に放置されていたという。

94人は蒸し暑い荷台の中で窒息寸前の状態だったが、数人が天井に穴をあけ、何とか酸素を確保した。

地元メディアによると、移民たちは連携してトラックの側面や天井に穴をあけ、数人が天井から車外に脱出。通りがかった車に助けを求めたという。

ベラクルス州の移民管理局はAP通信の取材に対し、「トラックの屋根から飛び降りケガをした人もいたが、命に別状はなかった」と述べた。

同局によると、地元住民が貨物コンテナをこじ開け、人々を救出したという。

地元メディアは警察筋の話を引用し、「94人はグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル人で構成される」と報じた。

この事件は米テキサス州サンアントニオで移民を乗せた貨物トラックが放置され53人が死亡した事件を思い起こさせた。

警察は不法入国に関与した運転手や関係者を探している。AFP通信によると、救出された男性のひとりは警察に「人身売買組織に現金を支払った」と証言したという。

グアテマラと国境を接するメキシコ南部のチアパス州タパチュラには、米国への移住を希望する移民数千人が一時滞在許可証の発行を待っている。

許可証を受け取ったと思われる約2000人は今週、タパチュラを出発したが、米国境までたどり着ける人はごく一部と思われる。

メキシコ移民局が発効する一時滞在許可証の期間はわずか30日であり、南部を出発した亡命希望者の大半が国境にたどり着く前に拘束され、タパチュラの移民局施設に送り返される。

タパチュラから米南部テキサス州の国境は1800kmほど離れている。

2022年6月6日/メキシコ、南部タパチュラ、米国への移住を希望する亡命希望者たち(QuetzalliNicte-Ha/ロイター通信)
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