◎メキシコでは近年、女性への暴力が深刻な社会問題になっている。
メキシコ当局は4日、メキシコ・モレロス州クアウトラで女性5人の遺体が見つかったと発表した。
地元警察によると、遺体は市内の2カ所に遺棄されていたという。警察は女性の身元と死因を明らかにしていない。
クアウトラは首都メキシコシティの南に位置する観光都市である。
地元メディアは州検察関係者の話を引用し、「麻薬カルテルが関与している可能性がある」と報じている。
州検察の報道官は4日の記者会見で、「遺体には麻薬カルテルがライバル組織に送る手書きのメッセージが添えられていた」と明らかにした。
地元警察は殺人で捜査を進めている。
メキシコでは近年、女性への暴力が深刻な社会問題になっている。人権団体によると、多くの女性が麻薬カルテルが関連する事件に巻き込まれ、行方不明になっているという。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は今年、同国の行方不明者が確認されているだけで10万人を超えたことに深刻な懸念を表明した。
メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。