◎事件は先月26日に発生。兵士たちは米国境近くでピックアップトラックを銃撃し、5人を殺害、1人に重傷を負わせたという。
メキシコの政府系機関である国家人権委員会は22日、陸軍の兵士4人が北部ヌエボラレドで正当な理由なく発砲し、男性5人を射殺したと発表した。
それによると、事件は先月26日に発生。兵士たちは米国境近くでピックアップトラックを銃撃し、5人を殺害、1人に重傷を負わせたという。
国家人権委員会は陸軍や警察関連の問題が刑事訴追された場合、関係機関に調査結果を引き継ぐ。
しかし、同委員会は21日遅く、ヌエボラレドでパトロール任務に当たっていた兵士21人のうち4人が正当な理由なく発砲したとする報告書を公表するという異例の措置を取った。
兵士4人はトラックに対し合計117発銃弾を撃ち込み、他の兵士3人が後方支援に回ったとされる。
同委員会は「兵士たちは過剰な武力を行使し、6人の権利を侵害した」としている。
報告書によると、兵士たちは車両4台に分かれて市内をパトロール中、不審なトラックを発見・追跡し、その後銃撃したという。
同委員会は「兵士の1人は口頭で運転手に停止を求めることなく発砲し、その後、兵士3人がこれに続いた」としている。
国防省は22日、この事件が事実であることを認め、検察庁などと連携して捜査に当たっていると声明を出した。
同省によると、兵士たちは「銃声を聞いた後、夜明け前の時間帯にナンバープレートもライトもつけていない不審なトラックを発見・追跡した」と証言しているという。
それによると、トラックは車両を見るなり急加速し、その後、駐車中の車両に衝突したという。兵士のひとりは「トラックから大きな音がしたので発砲した」と証言している。