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メキシコ麻しん(はしか)流行、メヒコ州政府が感染対策強化

保健当局によると、2月6日までに全国で2143人の感染と約6000人の疑い例が報告されている。
2026年2月8日/メキシコ、首都メキシコシティ、麻しんワクチン接種の様子(AP通信)

メキシコで麻しん(はしか)の感染が全国的に拡大する中、メヒコ州当局は9日、学校における健康スクリーニング(健康診断・検診)を強化すると発表した。生徒と教職員に対して検温を実施するほか、マスク着用の推奨やワクチン接種促進を進め、感染拡大の抑止を図る方針である。こうした措置は国内最大の感染が確認されている西部ハリスコ州に続く対応となる。

保健当局によると、2月6日までに全国で2143人の感染と約6000人の疑い例が報告されている。感染は国の北部国境から南部まで広がり、32州すべてで確認されている状況である。特にハリスコ州の感染者数が突出して多く、州都グアダラハラでは学校でのマスク着用が義務付けられるなど、地域ぐるみの対策が進んでいる。

メヒコ州保健省はX(旧ツイッター)への投稿で、州内の流行は制御下にあると説明し、これまでに報告された症例はほぼ全て軽症であると述べた。また、学校の出入り口で生徒らの体温を測定し、発熱や他の症状が疑われる場合は保護者への連絡や医療機関への受診を促すとした。州当局は加えてワクチン接種キャンペーンを強化する計画であり、予防接種率の向上を図ることで感染の連鎖を断ち切る意向を示している。

麻しん流行のきっかけは、2025年3月に北部チワワ州で発生した小児感染例である。当時、未接種の8歳の少年が米テキサス州の親戚を訪れた際に麻しんに感染し、その後、感染が拡大した。チワワ州の流行は抑えられたものの、他の州に拡散、全国に広がった。現在では首都メキシコシティでもワクチン接種強化キャンペーンが実施され、2月6日時点で166人の確定例が報告されている。

この流行を受け、世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は流行に関する疫学的警戒を発出した。PAHOは米州全体での麻しんか感染が増加しているとして、加盟国に対し監視体制の強化とワクチン接種の徹底を呼びかけている。カナダは2025年11月に「麻しん不検出国」のステータスを喪失、同様に米国とメキシコもそのステータスを失う可能性がある。

専門家は流行の背景にあるのはワクチン接種率の低下だと指摘している。予防接種を受けていない人が感染しやすい状況が続いた結果、数十年ぶりの大規模な流行につながった。麻しんは極めて感染力が強いウイルスであり、重症化や合併症リスクの高い乳児や免疫不全者に大きな脅威を及ぼす。今回の対応は集団免疫を回復し、感染拡大の進行を阻止するための重要な局面にある。

今後、当局は重点的なワクチン接種と健康観察の徹底を進めるとともに、感染が特に広がっている地域での対策を継続していく構えである。国民には症状が出た場合の早期受診と、未接種者に対する速やかな予防接種を強く促している。

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