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メキシコ大統領、米国によるベネズエラとメキシコへの介入を拒否

シェインバウム氏は定例会見で「他国の内政への介入を断固として拒否する」と述べ、国家主権と憲法に基づく非介入の立場を強調した。
2026年1月5日/メキシコ、首都メキシコシティ、シェインバウム大統領(ロイター通信)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は5日、米国によるベネズエラへの軍事行動や同国の内政への介入に対して改めて強い反対の意志を表明し、メキシコ国内への米軍関与の可能性も断固として否定した。シェインバウム氏は定例会見で「他国の内政への介入を断固として拒否する」と述べ、国家主権と憲法に基づく非介入の立場を強調した。

この発言は、米国が3日に実施したベネズエラでの軍事作戦に端を発し、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の拘束と国外移送を行ったことに対する反応として出されたものである。シェインバウム氏は、米国との協力は麻薬取引や治安問題に関して歓迎するとしつつも、「服従や介入は受け入れられない」と述べ、メキシコは自国民によって統治される自由で主権ある国家であると主張した。

これに先立ち、トランプ(Donald Trump)米大統領は麻薬カルテル対策の一環として必要に応じて軍事手段を検討する可能性を示唆し、コロンビアやメキシコでも軍事的な行動があり得るとの見解を示していた。この発言がメキシコ国内で波紋を呼び、シェインバウム政権が外交政策の核心に据える「非介入」「主権尊重」という原則への支持を鮮明にした形となった。

シェインバウム氏は、メキシコ憲法と伝統的な外交政策が「他国の内政不介入」という原則を掲げていることを強調し、この姿勢は自身が2024年に大統領に就任して以来の一貫した方針であると語った。また、国際法や国連憲章が定める主権国家の尊重と内政不介入の原則に基づき、今回のような軍事的介入は地域の安定を損なう恐れがあるとの見解を示した。

さらに、メキシコ政府は米国との安全保障や麻薬密輸対策での協力は重要だとしつつ、いかなる形の軍事的介入も受け入れられないと明言した。シェインバウム氏は「協力は歓迎するが、主権の侵害や軍事的介入は決して容認しない」と述べ、外交的対話と法の支配に基づく問題解決の必要性を訴えた。

地域の政治状況をめぐっては、中南米の複数の国が米国のベネズエラ介入を批判し、外部干渉によらない解決を求める動きが強まっているという報道もある。こうした潮流は、メキシコが主導する形で「主権尊重」と「平和的対話」を重視する外交方針の背景となっている。

シェインバウム氏の今回の発言は、米国との関係における緊張を反映すると同時に、ラテンアメリカにおける地域主義的な立場を再確認するものでもある。メキシコ国内では、米国の軍事力行使に対する懸念と主権尊重を求める声が強まっており、今後の外交・安全保障政策に大きな影響を与える可能性がある。

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