メキシコ大統領「キューバに人道支援送る」トランプ圧力に言及
シェインバウム氏は記者会見で、「人道的な理由からキューバへの支援を行う」と述べ、支援は人道物資を中心としたものであると説明した。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は1日、キューバに対し今週中に食料や生活必需品などの人道支援を送る計画を明らかにした。この発表はトランプ(Donald Trump)米大統領がメキシコに対して、キューバへの原油供給を停止するよう求めたとの報道が出た直後に行われ、米墨間の外交駆け引きの色彩も強い。
シェインバウム氏は記者会見で、「人道的な理由からキューバへの支援を行う」と述べ、支援は人道物資を中心としたものであると説明した。また、トランプ氏との先週の電話会談ではキューバ問題については議論していないと強調し、原油供給問題の解決は「外交的手段で進める」と述べた。
トランプ政権は最近、キューバへの原油供給を断つ方針を強化し、キューバと関係の深いベネズエラからの供給が1月の軍事作戦後に停止されたことを踏まえ、原油供給の阻止が対キューバ圧力の一環だとしている。トランプ氏はシェインバウム氏に原油供給の停止を求めたと報じられているが、メキシコ側はあくまで外交的解決を優先するとしている。
キューバはこれまでベネズエラからの原油供給に依存してきたが、ベネズエラからの輸送が止まったことでエネルギー危機が深刻化している。これに伴い、停電や燃料不足が常態化し、社会基盤にも影響が及んでいる。こうした状況を受けて、メキシコはこれまで原油供給の役割を担ってきた。国営石油会社ぺメックス(PEMEX)によると、2025年1月から9月までの間に1日約2万バレルの原油をキューバに送り、ルビオ(Maro Rubio)米国務長官のメキシコ訪問後にはこの量が1日約7000バレルに減少したとの分析もある。
シェインバウム氏は米国が課した対キューバ支援国への追加関税が人道的危機を深刻化させる可能性があると警告してきた。また外務省もキューバへの人道支援を継続する方針を改めて示し、国際法や国連憲章に基づく支援義務を根拠に「必要とされる支援が中断されるべきでない」と述べている。
一方、米側の方針も変わりつつあるとの見方が出ている。トランプ政権はキューバ共産党との対話を開始したと表明し、圧力強化と並行して外交的アプローチにも言及している。具体的な交渉内容や成果は明らかになっていないが、キューバを巡る米墨間、及び米州全体の外交関係は今後の展開次第で変化する可能性がある。
この人道支援表明は、メキシコがキューバへの支援を継続する意思を内外に示すものであり、同時に米国との協調関係を維持しつつも自国の外交的立場を主張する一手となっている。キューバ情勢はエネルギー供給問題や国際的圧力が絡み合い、今後の展開が注目される。
