メキシコ政府、USMCAの継続に自信、トランプ発言で懸念高まる
エブラルド(Marcelo Ebrard)経済相は記者会見で、現在行われている協定見直しは順調に進んでおり、7月1日までに協定延長の合意に達するとの見通しを強調した。
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メキシコ政府は15日、トランプ(Donald Trump)米大統領がUSMCA(米国・メキシコ・カナダ貿易協定)に懐疑的な姿勢を示しているにもかかわらず、同協定が存続するとの見解を改めて示した。エブラルド(Marcelo Ebrard)経済相は記者会見で、現在行われている協定見直しは順調に進んでおり、7月1日までに協定延長の合意に達するとの見通しを強調した。
またエブラルド氏は「協定の見直し作業は現在進行中であり、期限の7月1日までに終了しなければならない。我々は各国が関心を持つ全ての点について良い進展を遂げている」と述べた。
トランプ氏は今週、USMCAの将来に疑問を投げかけ、メキシコとカナダ両政府の不安を煽った。トランプ氏はミシガン州のフォード工場を視察した際、「この協定に実質的な利点はなく、米国にとっては重要ではない」と述べていた。
USMCAは2020年に北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって発効した三国間の貿易協定、メキシコの経済にとって重要な基盤と位置付けられている。同協定は米国、メキシコ、カナダ間の関税や貿易ルールを定めており、延長が合意されればさらに16年間存続する。一方で、協定が延長されない場合は毎年見直しを行う仕組みとなっている。
エブラルド氏の楽観的な見方に対して、米国内外のアナリストは見直し交渉が年末まで続く可能性を指摘している。多くの専門家は、7月までに協定延長に向けた決着がつかず、11月の米中間選挙後まで交渉が持ち越される可能性が高いとみている。また、トランプ政権が麻薬密輸や不法移民対策としてメキシコに軍事行動を取る構想を示すなど、安全保障問題を協定延長交渉に絡めることで、プロセスがより政治化するリスクも指摘されている。
交渉が続く中、米商工会議所は15日、協定の未来にかかわらず、米国側がメキシコ産品に対する高率の関税を課し続ける可能性があるとの見方を示した。すでに米国は鉄鋼・アルミニウム製品に50%、自動車には25%の関税を課しており、これらが協定の恩恵を受ける輸出品にも影響を与えているとの指摘がある。商工会議所は「協定延長に向け前向きな見直しプロセスが行われる可能性が最も高いが、メキシコの輸出品には依然として高い関税が残り、協定を弱めるだろう」と指摘した。
こうした中、メキシコ政府はUSMCAの重要性を強調し続ける意向を示している。連邦議会の一部議員は、輸出の85%以上が米国向けであり、約1200万人の雇用が協定に依存していると指摘し、協定の延長が経済の安定に不可欠との立場を示している。交渉の今後の進展は、北米地域の貿易関係に大きな影響を与える可能性がある。
