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メキシコでスクリューワームハエ症の流行続く、2026年1例目

農務省によると、寄生虫はメヒコ州内で飼育されていたヤギから検出され、同じ場所にいたほかの20頭の動物は検査で陰性だったが予防的な処置を受けたという。
メキシコの牧場(ロイター通信)

メキシコ農務省は1月2日、同国内でスクリューワームハエ症(蠅蛆症)の感染が新たに確認されたと明らかにした。今週2例目と報告している。これは家畜や畜産業に深刻な影響を及ぼす寄生虫の発生が継続していることを示すもので、国内外の関係機関が警戒を強めている。

農務省によると、寄生虫はメヒコ州内で飼育されていたヤギから検出され、同じ場所にいたほかの20頭の動物は検査で陰性だったが予防的な処置を受けたという。感染したヤギには適切な治療が施され、この地点では他の家畜への広がりは確認されていない。

この発表に先立ち、12月31日には北東部タマウリパス州で生後6日の子牛から同じ寄生虫が確認されていた。この子牛も同地点で唯一の感染例で、治療を受けたとのこと。

スクリューワームは寄生性のハエの一種で、成虫の雌が家畜の傷口などに卵を産みつけ、その幼虫が生きた組織内を食い進む。治療せず放置すると感染した動物は数週間のうちに死に至ることがある。これまでの感染例は、2024年11月以降で政府発表ベースで1万3106件に達し、そのうち671件が活動的な感染例として報告されている。感染が最も多く確認されているのは南部チアパス州、次いでオアハカ、ベラクルス、ユカタン各州となっている。

このスクリューワームの大規模な発生は中米から北上してきたもので、メキシコと米国双方の畜産業にとって重大な脅威となっている。寄生虫の拡大を受け、米国は2025年5月以降、メキシコ産家畜の輸入をほぼ全面的に停止しており、米農務省は寄生虫が米国内に侵入した場合、テキサス州だけでも最大18億ドルの経済的損失が生じる可能性があるとの試算を示している。

メキシコ政府は感染拡大を抑えるため、感染動物の早期発見・治療や防疫措置の強化を進めているほか、周辺地域での検査体制や予防的な薬剤投与なども実施している。しかし、一部の地域では依然として発生例が多く、関係当局は感染状況の綿密な監視を続けている。

専門家はスクリューワームは繁殖力が強く、管理が難しい寄生虫であることから、感染経路の特定と再発防止策の徹底が不可欠だとしている。また、米国側でも追加の監視網の強化や殺虫戦略などの対応策が進められており、両国の協力が重要となっている。

今回の2例報告は感染が依然として収束していないことを示している。家畜所有者や農場関係者には、傷のある動物の早期発見と獣医師への連絡が強く求められている。

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