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メキシコ大統領、選挙改革案否決も「プランB」を約束


問題となった法案は選挙制度の仕組みや議会構成を見直す憲法改正を柱とするものだった。
2025年7月14日/メキシコ、首都メキシコシティ、シェインバウム大統領(ロイター通信)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は12日、議会下院(定数500)で自身が提案した選挙制度改革案が否決されたことを受け、別の方法で改革を進める方針を示した。今回の採決は2024年に大統領に就任して以来、政権にとって初めての大きな立法上の挫折となった。

問題となった法案は選挙制度の仕組みや議会構成を見直す憲法改正を柱とするものだった。採決の結果、賛成259、反対234となったものの、憲法改正に必要な3分の2の賛成には届かず、成立には至らなかった。与党・国家再生運動(MORENA)の一部議員が支持を見送ったことが決定的となった。

MORENAは左派の労働党や緑の党などの小政党と連立を組んでいる。しかし今回の採決では、これらの同盟政党の一部議員が賛成票を投じず、連立の足並みの乱れが露呈した。小政党側は改革によって自党の議席確保が難しくなる可能性を懸念していたとみられている。

改革案の主な内容は、比例代表制による議席配分の仕組みを廃止し、すべての議員を選挙区で直接選出する方式に改めることだった。また、選挙管理機関や政党への公的資金を削減するなど、選挙運営費を約25%削減することも盛り込まれていた。シェインバウム氏はこれにより政治の特権を減らし、民主主義を強化できると主張していた。

しかし、野党や専門家からは強い批判も出ていた。比例代表制の廃止は小政党の代表性を弱め、与党の権力集中につながる可能性があるとの指摘があるほか、選挙機関の予算削減は公正な選挙運営に支障をきたす恐れがあると懸念されている。

否決を受け、シェインバウム氏は今回の結果を過度に問題視せず、「改革の目的は変わらない」と強調したうえで、憲法改正ではなく通常法の改正によって同様の政策目標を実現する可能性を示した。

またシェインバウム氏は改革を支持しなかった議員について、「有権者が判断することになる」と述べ、将来の選挙で政治的責任が問われる可能性に言及した。

今回の採決はこれまで比較的結束してきた連立与党の内部に緊張が生じていることを示す結果となった。一方で、選挙費用の削減など改革の一部には国民の支持もあるとみられ、シェインバウム政権が今後どのような形で制度改革を再提案するかが注目されている。

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