◎インテルナシオナル・フェリーペ・アンヘレス国際空港が運用を開始した。
メキシコのオブラドール大統領は21日、首都メキシコシティ北部に建設されたインテルナシオナル・フェリーペ・アンヘレス国際空港の開港イベントで政府の実績をアピールした。
オブラドール大統領は前政権が行った「汚職の象徴」と呼ばれる別の空港プロジェクトを廃止し、新たな空港建設に着手した。
地元メディアによると、21日にアンヘレス空港を飛び立った旅客機は数便で、その多くが貨物便だったという。同空港とメキシコシティ中心部を結ぶ鉄道は来年運用を開始する予定である。
オブラドール大統領は第1便が飛び立つ様子を視察した際、「ミッション達成!」と大声で叫んだ。
アンヘレス空港は旧軍事基地の跡地に建設され、オブラドール大統領が推進する主要インフラプロジェクトの中で最初に竣工した。
建設の目的はメキシコのハブ空港であるメキシコシティ国際空港の混雑を緩和するため。メキシコシティ空港とアンヘレス空港は50kmほどしか離れていない。
オブラドール大統領はアンヘレス空港に疑問を抱いているメディアの質問を一蹴した。「私たちの空港は悪意を持つ人々の抵抗にもかかわらず建設され、本日運用を開始しました...」
オブラドール大統領は2024年の任期満了までに石油精製所、ユカタン半島の観光列車、メキシコ湾岸と太平洋の港を結ぶ列車を完成させたいと考えている。これらのインフラの一部は軍の管理下に置かれる予定である。
政治アナリストのクレスポ氏はソーシャルメディアに、「オブラドールは6年間(任期)で変革を達成すると誓ったが、明らかに急ぎすぎであり、プロジェクトは穴だらけである」と述べた。「オブラドールは4つのプロジェクトを革命と呼んでいます...」
2018年10月の国民投票後に建設中止が決まった空港には18億ドル(約2,150億円)もの公的資金が投入された。オブラドール大統領はこの決定の数週間後に就任し、経済団体の批判をかわし、アンヘレス空港の新設を発表した。
首都メキシコシティ東部テスココに放置されている未完成の空港は汚職にまみれ、地政学的に不可能と専門家に笑われ、費用がかかり過ぎるという理由で却下された。
政府は放置空港の施工者であるテスココ社の債権者への返済に18億ドルを費やし、さらにその他の費用も工面せざるを得なくなった。
AP通信によると、アンヘレス空港の国際線は今のところベネズエラのカラカス行きの1便のみだという。同空港は鉄道だけでなく、高速道路も未完成である。
同空港のスクリーンにはメキシコのカンクン、ティファナ、メリダ、グアダラハラ、モンテレイ、ビジャエルモサとベネズエラのカラカスへの初便が映し出されていた。
メキシコ政府の高官は今月、AP通信の取材に対し、「航空各社にメキシコシティ空港の混雑を緩和するために、アンヘレス空港への業務移管をお願いしたいと伝えている」と述べ、要請に応じた航空会社には可能な限りインセンティブを提供すると明らかにした。
アンヘレス空港がハブ空港になるかどうかは分からないが、政府はメキシコシティ空港の旅客機と貨物便がうまい具合に分散されることを望んでいる。
オブラドール大統領は2,000万人以上が生活する巨大都市メキシコシティの南側から新ターミナルまで「わずか1時間半」で到着できると主張している。
メキシコシティ空港は首都のほぼ中央に位置し、タクシーを利用すれば市街地まで10~20分で移動可能。
メキシコシティ在住でカンクン(ユカタン半島のリゾート地)に旅行に行くという家族はアンヘレス空港の国内ターミナルビルで、「朝7時に自宅を出発し、9時にターミナルに到着した」とAP通信に語った。「カーナビに未舗装の道を走れと指示されました...」