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メキシコ海軍、東太平洋でカルテル潜水艦拿捕、コカイン4トン押収

押収作戦は東太平洋で実施され、潜水艦が海上を航行中にメキシコ海軍の艦船がこれを発見、追跡・拿捕したという。
麻薬カルテルの半潜水艦を調べるメキシコ当局者(Getty Images)

メキシコ海軍は19日、太平洋沿岸沖で大量のコカインを積んだ半潜水艦を押収したと発表した。ハルフッシュ(Omar Garcia Harfuch)治安・市民保護相は記者会見で、「この潜水艦には約4トンのコカインが積載されていた」と明らかにした。

これは麻薬カルテルに対する取り締まりの一環、密輸防止に向けた国際的な捜査・取り締まりのひとつである。

押収作戦は東太平洋で実施され、潜水艦が海上を航行中にメキシコ海軍の艦船がこれを発見、追跡・拿捕したという。潜水艦は完全に潜航するタイプではなく、海面直下を低く浮かんで進む半潜水艇型で、捜査当局は「カルテル潜水艦」と呼ばれる密輸用小型船舶が麻薬密輸に頻繁に用いられているとして警戒を強めている。

ハルフッシュ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、過去1週間の海上作戦で10トンに近い麻薬が押収されたと述べ、これらの摘発が麻薬カルテルの資金構造に大打撃を与えていると強調した。押収されたコカインは数百万回分に相当し、市場に出回る前に阻止されたと説明している。また、潜水艦事件に関連して3人の容疑者が逮捕されたと明らかにした。

この押収はメキシコが国際的な麻薬密輸取り締まりを強化する中での象徴的な成果の一つとなる。メキシコは地理的な立地から米国市場への供給経路に位置し、コカインや合成麻薬フェンタニルといった違法薬物の中継国とされている。このため、メキシコ当局は海上・陸上両面での取り締まりに力を入れ、米国や他国の捜査機関とも情報共有や共同作戦を展開している。

潜水艦による麻薬密輸は検出を逃れるために姿勢を低くした半潜水艇型の船舶を利用する手法で、通常の船舶よりもレーダーや航空機からの発見が困難なことから、麻薬カルテルが好んで使ってきた。これまで中南米沿岸では大小さまざまな潜水艦が確認され、メキシコや周辺国はこれを重大な海上犯罪として警戒している。

今回の押収により、メキシコ当局は麻薬カルテルの経済的基盤を揺るがすことができる可能性があるとしているが、専門家は依然として密輸ルートや組織網が複雑に絡んでいる現状を指摘している。押収された潜水艦や逮捕された容疑者がどのカルテルに属しているかは明らかにされていないものの、捜査が継続して進められている。

米国とメキシコは長年にわたり麻薬取引の取り締まりで協力関係にあり、とりわけコカインやフェンタニルの海上密輸に対する監視・阻止活動を強化している。米側も沿岸警備隊や海軍と連携して国際水域での摘発作戦を行い、今後も両国による共同作戦が続く見込みだ。

メキシコ政府は国内治安の改善と麻薬暴力の抑制を最優先課題としており、今回の潜水艦押収を契機にさらに取り締まりを強化するとしている。

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