メキシコ議会下院、政府与党の選挙改革案を否決、3分の2に届かず
採決では賛成259票、反対234票、棄権1票となったが、憲法改正には3分の2以上の賛成が必要なため成立には至らなかった。
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メキシコの連邦議会下院(定数500)は11日、シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領が提案した選挙制度改革を含む憲法改正案を否決した。
与党・国家再生運動(MORENA)が提出した法案は可決に必要な3分の2の賛成に届かず否決され、政府は今後、通常法の改正による代替案を検討する可能性が高まっている。
採決では賛成259票、反対234票、棄権1票となったが、憲法改正には3分の2以上の賛成が必要なため成立には至らなかった。野党はこの改革がMORENAによる権力集中につながる恐れがあると批判しており、議会内で対立が続いていた。
今回の法案はMORENAが主導したもので、選挙制度の構造的な見直しを柱としていた。主な内容には、比例代表による議席配分の仕組み変更、上院議員数(元老院:定数128)の削減、選挙関連支出の25%削減などが含まれていた。また、速報結果を公表する制度の見直しや、選挙運動における人工知能(AI)の利用規制、ボットの使用禁止なども盛り込まれていた。
政権側はこうした改革によって選挙運営のコスト削減と制度の効率化を図ると説明してきた。シェインバウム氏は同国の選挙制度について、費用が高く複雑すぎると指摘し、制度改革は民主主義の強化につながると主張していた。
しかし野党は、改革によって選挙制度の独立性が損なわれる可能性があると反発した。特にMORENAが制度のルール変更を通じて政治的優位を確保しようとしているとの懸念が強く、議会審議では民主主義への影響をめぐる論争が続いた。
さらに、今回の採決では与党と協力関係にある一部の政党が賛成に回らなかったことも否決の要因となった。与党連合の結束が十分に保たれなかったことで、憲法改正に必要な票数を確保できなかったとみられる。
この結果を受け、政権側は「プランB」と呼ばれる代替案を検討する見通しである。これは憲法改正ではなく、通常法の改正を通じて選挙制度の一部を変更する手法で、過半数の賛成で成立させることができる。与党内では制度改革を段階的に進める現実的な選択肢として議論が始まっている。
メキシコでは近年、司法制度改革など大規模な制度改編が相次ぎ、政治制度をめぐる議論が活発化している。今回の選挙制度改革の否決はシェインバウム政権にとって大きな政治的試練となる可能性がある。今後、MORENAがどのような形で改革を再提案するのか、また議会内の力関係がどのように変化するかが注目される。
