SHARE:

メキシコ当局、ミス・ユニバース社長を麻薬・武器密輸で捜査

捜査の一環として、13件の逮捕状が発行されており、地元メディアは、このうちのひとつが同組織の社長兼共同オーナーに対するものだと報じている。
2025年11月20日/タイ、首都バンコク、第74回ミス・ユニバース世界大会を制したメキシコ代表のファティマ・ボッシュ・フェルナンデスさん(AP通信)

メキシコ当局は26日、同国のミス・ユニバース運営組織の代表者に対し、麻薬、武器、燃料密輸の疑いで捜査を開始したと発表した。

捜査の一環として、13件の逮捕状が発行されており、地元メディアは、このうちのひとつが同組織の社長兼共同オーナーに対するものだと報じている。

オーナーは2024年に運営組織の株式の50%を取得し、運営権を得たとされる。

当局によると、捜査は2024年から続いていたという。オーナーはメキシコ国籍で、捜査報告書などでは「Raul R」と表記されている。現時点で、同組織やオーナー側からコメントは出ていない。

報道によると、オーナーは中米グアテマラとメキシコの国境付近を拠点とする密輸ルートを通じ、薬物・武器・燃料をメキシコ国内に搬入していたという。

特に燃料密輸に関しては、盗油を船やトラックで運び、複数の関連企業を通じて流通・洗浄していたとの疑いがある。

さらに、武器に関しては、メキシコ軍や警備会社を介して正規に購入された銃器を、複数の流通業者を通じて出所を隠し、最終的に犯罪組織へ流出させる手口があったとされる。

報道によると、流通先には国内最大手カルテルのひとつとされる犯罪組織の名前も挙げられている。

この捜査は先週行われた第74回ミス・ユニバース世界大会を巡る一連の問題のただ中で発覚した。

コンテストでは審査の公正性への疑問、投票操作の疑惑、さらには出場者の退場や審査員の相次ぐ辞任があった。

また、優勝したボッシュ・フェルナンデス(Fátima Bosch Fernández、25歳)さんとオーナーとの関係が報じられており、彼女の父親が国営石油会社にかかわる人物だという背景も注目を集めた。

このように、かつては娯楽イベントの運営を担う華やかな組織と見なされていたミス・ユニバースの運営陣が、「組織犯罪および国際的密輸ネットワーク」の疑いで摘発の対象となったことで、国際的な衝撃を呼んでいる。

独立した第三者機関も過去にこの組織の資金流れや体質について透明性を求める声を上げており、今回の捜査はその延長線上にあるとも言える。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします