SHARE:

メキシコ当局、ミス・ユニバース共同所有者の銀行口座を凍結

今後、ロチャ・カントゥに対する正式な起訴や資産差し押さえ、さらには国際的な調査の動きが続く見通しであり、ミス・ユニバース機構を巡るスキャンダルは新たな局面を迎えようとしている。
2025年11月20日/タイ、首都バンコク、第74回ミス・ユニバース世界大会を制したメキシコ代表のファティマ・ボッシュ・フェルナンデスさん(AP通信)

メキシコ当局は5日、ミス・ユニバース機構の共同所有者である実業家ロチャ・カントゥ(Raúl Rocha Cantú)の国内銀行口座を凍結したと明らかにした。

これは麻薬取引、武器密輸、不正な燃料取引などの組織犯罪疑惑に関する捜査の一環である。

関係者によると、ロチャ・カントゥは2024年11月から捜査対象となっており、連邦検察は最近、関係者に対して13件の逮捕状を発布した。ロチャ・カントゥの会社はミス・ユニバース機構の株式の50%を保有しており、今回の措置は団体そのものにも甚大な影響を及ぼす可能性がある。

一方、ミス・ユニバース機構の残り50%はタイの企業JKNが所有しており、その代表も詐欺容疑などでタイの裁判所から逮捕状が出されている。

この代表は2023年に保釈されていたが、2025年11月25日に求められた出廷に応じなかったため、逃亡の恐れがあると判断され、逮捕状が再発された。

ロチャ・カントゥの過去の経歴も注目を集めている。彼はかつて北部モンテレイにあったカジノ「Casino Royale」の共同所有者であり、同カジノは2011年に武装集団による放火事件で52人が死亡した大惨事を起こした現場でもあった。

今回の口座凍結はミス・ユニバース機構に対する一連の疑惑をさらに深めるものだ。今年開催された大会ではメキシコ人のボッシュ・フェルナンデス(Fátima Bosch Fernández、25歳)さんが優勝したが、その直後から結果の公平性や組織の資金源に対する疑問が相次いでいた。今回の捜査と併せ、国際的な信頼への打撃となる可能性がある。

ただし、メキシコ当局は現時点で「ミス・ユニバース自体が犯罪の資金源だったとの証拠はない」としており、コンテストそのものが捜査の対象かどうかは明言していない。

今後、ロチャ・カントゥに対する正式な起訴や資産差し押さえ、さらには国際的な調査の動きが続く見通しであり、ミス・ユニバース機構を巡るスキャンダルは新たな局面を迎えようとしている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします