エクアドル大統領候補暗殺事件、メキシコ当局が犯罪組織の幹部逮捕
捜査当局によると、容疑者は偽造されたコロンビアの身分証を使ってメキシコに入国し、当局の追跡を逃れようとしていた。
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2023年に南米エクアドルで発生した大統領候補暗殺事件を巡り、国際的な捜査が新たな局面を迎えた。メキシコ当局は18日、この事件に関与したとされる容疑者の男を逮捕し、コロンビアへ送還したと明らかにした。複数国にまたがる犯罪組織の関与が指摘される中、今回の逮捕は越境犯罪対策の成果として注目されている。
拘束されたのはエクアドル国籍のアンヘル・エステバン・アギラール・モラレス(Ángel Esteban Aguilar Morales)容疑者。エクアドルの犯罪組織「ロス・ロボス」の幹部とされる。国際刑事警察機構(ICPO)の手配対象にもなっていた同容疑者は2023年8月に首都キトで発生したビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)氏の暗殺事件に関与した疑いが持たれている。
捜査当局によると、容疑者は偽造されたコロンビアの身分証を使ってメキシコに入国し、当局の追跡を逃れようとしていた。しかし、入国時点で不審な動きが把握され、コロンビア当局から提供された情報も活用して所在が特定された。当局は首都メキシコシティ内で身柄を拘束したと報告している。
その後、容疑者は移民当局の管理下に置かれ、法的手続きを経てコロンビアへ移送。首都ボゴタの空港でコロンビア当局に引き渡され、今後は同国での取り調べや手続きが進められる見通しである。
モラレス容疑者はエクアドル国内の犯罪ネットワークの中核に位置し、麻薬取引や殺人、恐喝などに関与してきたとされる。さらにメキシコの麻薬カルテルやコロンビアの旧左翼ゲリラの分派とも関係を持っていた疑いがあり、広域的な犯罪活動の結節点となっていた可能性が指摘されている。
ビジャビセンシオ氏は汚職や犯罪組織の政治介入を批判していたことで知られ、2023年の選挙戦中に銃撃され死亡した。この事件はエクアドル社会に大きな衝撃を与え、同国における治安悪化と組織犯罪の深刻さを国際的に印象づけた。
今回の拘束について、コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は18日、メキシコ、コロンビア、エクアドルの協力による成果であり、越境組織犯罪に対する「重要な打撃」と評価した。一方で、エクアドルとメキシコの関係は2024年の大使館突入事件以降悪化しており、こうした中での協力は異例ともいえる。
一連の動きは、ラテンアメリカにおける麻薬組織の国際的拡散と、それに対抗する各国の連携の重要性を改めて示すものとなった。今後は事件の全容解明とともに、背後にある広域犯罪ネットワークの実態解明が焦点となる。
