メキシコ議会、恐喝防止法案を可決、最高42年の懲役刑に
連邦警察によると、今年上半期に報告された恐喝関連の被害者は5887人にのぼった。これは氷山の一角とみられ、実際の被害者はこれをはるかに上回るとみられる。
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メキシコ議会下院(定数500)は25日、恐喝の防止を目的とする刑法改正案を賛成多数で可決した。
成立した場合、恐喝罪の刑期は最高で42年に達する可能性がある。
連邦警察によると、今年上半期に報告された恐喝関連の被害者は5887人にのぼった。これは氷山の一角とみられ、実際の被害者はこれをはるかに上回るとみられる。
シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は最近、恐喝関連の犯罪が前年比で7%増加したと明らかにし、対策を強化すると約束していた。
この改正案はこれまで州ごとに異なっていた罰則を全国統一し、恐喝の定義を標準化する。捜査当局の権限が強化され、被害者は匿名で通報できるようになる。
恐喝を報告しなかった公務員は10~20年の懲役刑に処され、刑務所当局者や公務員が恐喝を助長した場合は15~25年の懲役刑となる。
電子機器を使用または使用を許可した受刑者や刑務所職員は6~12年の懲役刑に処される。
メキシコにおける「恐喝犯罪(エクストーション)」は、組織犯罪グループが中小企業や商店、移動販売業者、農業従事者などを標的に定期的に金銭を要求する「保護料」が典型である。
要求を拒むと、放火やさらなる暴力、誘拐、殺害といった重大な報復を受けるケースがある。また、電話やオンラインを使った詐欺型の恐喝(”バーチャル誘拐”を装って家族が人質になったと偽るなど)も非常に多く、この国の恐喝犯罪の92%は電話によるものと推定される。
統計上、恐喝件数は近年増加傾向にある。2025年第1四半期には全国で約10%の増加が報告され、一方で多くの被害が警察に届けられず、約97%が未報告という見積もりもある。
