◎米国に持ち込まれるフェンタニル錠剤の大半がメキシコ産である。
オピオイド系鎮痛剤のフェンタニルの錠剤(Getty Images)

メキシコ国防省は14日、バハカリフォルニア州ティフアナでフェンタニル錠剤を180万錠以上押収したと発表した。

ティファナは米カリフォルニア州と国境を接し、麻薬カルテルの拠点があるとされる。

同省の報道官は声明で、「陸軍は関係機関からティファナ市内に麻薬の密売に利用されている場所があるという情報を入手し、張り込みを行っていた」と述べた。

警察は捜査令状を請求し、その後、陸軍と共に市郊外にある民家を監視。12日に家宅捜索を行い、フェンタニル錠剤を約183万錠、メタンフェタミン約400kgを押収した。

地元警察によると、民家に人はおらず、逮捕者は出ていないという。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。

メキシコの麻薬カルテルは中国から輸入した合成オピオイドからパニック障害治療薬ザナックス(Xanax)、アデラル(Adderall)、オキシコンチン(OxyContin)などの処方薬に見せかけた薬物を製造し、西側の豊かに国に送っている。

当局によると、今回の押収量はここ数カ月で最大。オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は13日、「メキシコ国内でフェンタニルは作られておらず、米国のフェンタニル関連の問題の責任は米国にある」と述べていた。

米国に持ち込まれるフェンタニル錠剤の大半がメキシコ産である。

米国では毎年数万人がフェンタニルの過剰摂取で死亡している。その多くは自分がフェンタニルを服用していることに気づかない。2020年4月~2021年4月の死者数は初めて10万人を超えた。

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