メキシコ規制当局、米国の制裁受けた銀行支援へ
麻薬カルテルとのつながりを理由に個人や企業に制裁を科すことは比較的頻繁に行われているが、金融機関を対象とするのは稀である。
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メキシコの銀行規制当局は26日、米国から組織犯罪に関連する資金洗浄(マネーロンダリング)への関与を理由に制裁を受けた3つの金融機関CIBanco、Intercam Banco、Vector Casa de Bolsaの運営を一時的に引き継ぐと発表した。
銀行・証券委員会はこの措置について、CIBancoとIntercam Bancoの債権者および預金者を保護するためだと説明した。
米財務省は25日、麻薬カルテルとつながりがあるとして、この3社を制裁リストに追加。同省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は3社を「主要な資金洗浄懸念対象」に指定し、米国民および米企業との取引を禁じた。
3社は嫌疑を否定している。
専門家はこの制裁について、比較的小規模な機関が対象となったものの、銀行間の相互接続性と米国との密接なビジネス関係を踏まえると、メキシコの金融システムに影響を与える可能性があると指摘している。
CIBancoは声明で、米・メキシコ当局と協力すると表明。「顧客の預金は現地法に基づき保護されている」と述べた。
残り2社はコメントを出していない。
シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は26日、米財務省が3社に制裁を科したことについて、その主張を裏付ける証拠を示していないと批判した。
麻薬カルテルとのつながりを理由に個人や企業に制裁を科すことは比較的頻繁に行われているが、金融機関を対象とするのは稀である。
トランプ(Donald Trump)大統領は移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法滞在者を送還するなど、様々な移民・麻薬対策を導入している。
トランプ政権は2月、メキシコの麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。
これらの組織とつながりがあったり、何らかの取引を行っている金融機関、企業、個人は制裁の対象となる可能性がある。