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▽メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。
2025年3月14日/メキシコ、西部ハリスコ州、麻薬カルテル「ハリスコ新世代」が運営する施設入り口(ロイター通信)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は17日、西部ハリスコ州で麻薬カルテル「ハリスコ新世代」が管理する集団墓地が見つかったことを受け、行方不明者の捜索を支援する委員会の活動を強化する法案に署名し、さらなる改革案を国会に提出すると明らかにした。

市民活動家たちは先週、ハリスコ新世代が管理する施設で何百もの人骨を発見、警察に通報した。

それによると、警察は人骨、灰、数百枚の衣服、遺体を火葬するために使われたとみられるドラム缶などを押収したという。

この発見は全国的な騒ぎに拍車をかけた。15日午後には全国各地で抗議デモや集会が行われ、政府に対応を求める声が高まった。

シェインバウム氏は定例会見で、行方不明者の特定を容易にし、行方不明者とそのケースに関する情報を整理し、行方不明者の数をより透明化する改革案を20日に議会に提出すると述べた。

またシェインバウム氏は失踪事件の捜査開始まで72時間待つ必要はなくなり、誘拐と失踪事件の区別も明確になると強調した。

ハリスコ州は同国で最も危険な州のひとつであり、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵ハリスコ新世代の本拠地がある。

ハリスコ州でこのような「集団墓地」が見つかることは珍しくない。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。

今回活動家が入った施設は昨年9月に州当局が一度捜索を行っていた。

当局は当時、ハリスコ新世代の構成員とみられる10人を逮捕、2人の人質を救出し、1人の遺体を発見したと明らかにしていた。

それによると、この施設はハリスコ新世代の訓練場として運営されていたという。当局は重機や警察犬などを投入して遺体が埋まっていないか捜索したものの、捜査は遅々として進まず、事実上打ち切られていた。

AP通信によると、地元住民はこの施設を「屠殺場」と呼んでいたという。麻薬カルテルはこのような人里離れた場所でライバル組織の構成員などを殺害している。

国務省は先月、ハリスコ新世代やシナロア・カルテルを含む中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定した。

カナダ当局もこれに続き、ハリスコ新世代を含む7つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定した。

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