メキシコ大統領、米ロサンゼルスの暴動を非難

ロサンゼルスでは週末、移民税関捜査局(ICE)の摘発作戦に抗議するデモが激化し、一部の暴徒が機動隊と衝突した。
2025年6月7日/米カリフォルニア州ロサンゼルス市内、移民税関捜査局(ICE)に抗議するデモ隊(ロイター通信)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領が9日、米カリフォルニア州ロサンゼルスで発生した暴動を非難した。

シェインバウム氏は定例会見で抗議デモが暴動に発展したことを非難し、米政府に対し、憲法と法律に基づいて移民の送還手続きを行うよう促した。

ロサンゼルスでは週末、移民税関捜査局(ICE)の摘発作戦に抗議するデモが激化し、一部の暴徒が機動隊と衝突した。

ICEの捜査官は6日、ロサンゼルス市内の複数の地区を捜索し、子供を含む数百人の移民を拘束した。

これに反発した多くの市民が抗議デモを行い、一部の暴徒が機動隊と衝突。逮捕者が出る事態となった。

シェインバウム氏は「いかなる理由があろうと、暴力を容認しない」と強調した。

またシェインバウム氏は米国のメキシコ人コミュニティに対し、「平和的に行動し、挑発に乗らないよう呼びかける」と述べた。

メキシコ外務省によると、ロサンゼルスでの最近の移民取り締まりにより、少なくとも42人のメキシコ人が4つの施設に収容され、4人が強制送還されたという。

同省は9日の声明で、「政府はロサンゼルスの施設に収容されているメキシコ人を支援するために必要な措置を取っている」と述べた。

また同省は「拘束・収容された人々の多くが当時、職場で働いていた」と付け加えた。

トランプ(Donald Trump)大統領は暴動に対処するため、2000人の州兵を動員する覚書に署名した。

トランプ氏はカリフォルニア州のニューサム(Gavin Newsom)知事とロサンゼルス市長が職務を放棄したと主張している。

ニューサム氏はこれを否定。州兵の動員は挑発行為であり、事態を悪化させるだけだとトランプ氏を批判した。

トランプ氏は不法移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民対策を導入している。

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