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メキシコの海洋生物学者、サメに襲われ負傷 コスタリカ沖

負傷したのはメキシコ国籍のマウリシオ・オヨス氏。コスタリカ沖で27日にサメに襲われたという。
ホホジロザメ(Getty Images)

メキシコの著名な海洋生物学者がコスタリカ沖で作業中にサメに襲われ重傷を負い、首都サンホセの病院に搬送された。現地メディアが29日に報じた。

それによると、負傷したのはメキシコ国籍のマウリシオ・オヨス(Edgar Mauricio Hoyos Padilla)氏。コスタリカ沖で27日にサメに襲われたという。

オヨス氏はコスタリカ本土から数百キロ離れたココス島で負傷。36時間に及ぶ搬送の末、サンホセの病院で治療を受けた。

消防によると、オヨス氏は頭部、顔面、腕に重傷を負ったものの、容体は安定しているという。

現地で対応に当たった消防士は地元テレビ局のインタビューで、「監視目的でサメにタグを装着していたところ、サメが襲いかかってきたようだ」と説明。「体長約4メートルほどのサメがオヨス氏の頭部にかみついた」と述べた。

オヨス氏はメキシコ出身の海洋生物学者で、特にサメの生態・保全に関する研究で知られる。バハ・カリフォルニア州を拠点に活動し、ペラギオス・カクンハ(Pelagios Kakunjá)という非営利研究機関の共同設立者・ディレクターを務めている。

オヨス氏の研究の主な領域は、サメの幼海域、繁殖、生息場所の利用、サメの行動パターンや生態学、移動経路の追跡などである。具体的にはメキシコ国内ではグアダルーペ島、カリフォルニア湾、レヴィジャヘド諸島、クリッパートン環礁、ココス島、マレペロ(コロンビア)など幅広い地域で調査を展開してきた。

また、学術研究だけでなく、教育・普及活動にも力を入れており、幼児〜大学生を含む様々な層を対象に300件以上の講演を行ってきた。サメの誤解(人間を狙う凶暴な生物というイメージ)を払拭し、保全の必要性を伝えることを重視している。

オヨス氏の業績としては、国際的な査読付き論文多数、国際および国内のドキュメンタリーの科学アドバイザー、海洋保護区の科学委員などを務めることなどが挙げられる。

近年も“ホワイトシャーク(Great White Shark)”の研究が特に注目されており、グアダルーペ島での個体写真鑑定、音響・衛星タグによる行動追跡、そして観光目的でのケージダイビング(ケージ内からホワイトシャークを観察する観光形態)が環境に与える影響の研究などを通じて、保護区管理政策にも貢献している。

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