▽メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。
メキシコの捜査当局は26日、北部チワワ州郊外で12人の遺体を発見したと明らかにした。
それによると、現場は米テキサス州と国境を接するシウダー・フアレス近郊の広大な砂漠地帯。失踪者の家族が18日から捜索を開始し、数日後に12人の遺体を見つけたという。
シウダー・フアレスはメキシコで最も治安の悪い都市のひとつとされ、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」の支援を受けるギャングなど、複数の武装集団が支配権を争っている。
捜査当局によると、失踪者の家族たちが地面を掘ったり、人目に付きにくい穴などを調査した結果、計11カ所で12人の遺体が見つかったという。
家族は警察に通報。科学捜査班が遺体の身元確認を行っている。
麻薬カルテルやギャングは対立する組織の構成員や関係者を殺害し、しばしばこのような人目に付きにくい場所に埋葬する。
メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は12万人以上と推定されている。
行方不明者の家族はしばしば自力で捜索を行い、その過程で麻薬カルテルやギャングに目を付けられ、殺害されることもある。
警察は遺体を発見した家族の身元を明らかにしていない。AP通信は当局者の話しとして、地元のボランティアグループが捜索を手伝ったと伝えている。