◎キューバでは現在、経済・エネルギー危機により計画停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
史上最悪の経済・エネルギー危機に直面している中米キューバに対し、メキシコ政府が50万バレル近い原油とディーゼルを送ったことが明らかになった。現地メディアが10月31日に報じた。
キューバでは現在、経済・エネルギー危機により計画停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
さらに食料不足とインフレが危機に拍車をかけ、コロナ禍以来、数十万人が国外に逃亡。その大半が米国を目指している。
長い間キューバを支えてきたロシアとベネズエラの石油は米国の経済制裁の影響でほとんど途絶え、メキシコがキューバの数少ないライフラインのひとつとなっている。
AP通信によると、メキシコの国営石油会社ぺメックス(PEMEX)から約41万2000バレルの原油が30日深夜から31日早朝にかけてキューバの港町に到着したという。
さらに6万7000バレルのディーゼルを積んだタンカーも到着。来週初めに南東部サンティアゴデクーバに到着する予定である。
今回キューバに届いた燃料の価格は約3100万ドル(約47億円)。2023年初頭以降、メキシコからキューバに送られた燃料は3億ドルを超えた。
メキシコ大統領選の期間中、燃料の輸送は約6カ月間中断されていたが、今月初めに就任したシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領の下、輸送が再開されたようだ。
シェインバウム氏は31日の定例記者会見でキューバへの輸出を認めたうえで、「それはメキシコが一日に生産する原油、160万~180万バレルのほんの一部である」と述べた。
またシェインバウム氏は誰に何と言われようとキューバを支援し続けると約束した。