◎この占拠で数十便が欠航を余儀なくされた。
メキシコ・シナロア州で13日から始まった農家主催の抗議がヒートアップし、クリアカン国際空港の占拠に発展した。
農家たちは15日、小麦とトウモロコシの取引価格を引き上げるよう中央政府に呼びかけ、要求に応じなければ何度でも空港を「征服」すると息巻いた。
デモ隊は同空港の出発ロビーの一部に13日から陣取っている。
地元メディアによると、この占拠で数十便が欠航を余儀なくされたという。
この事件は国際的な注目を集めなかったが、シナロア州知事の発言は混乱を煽り、米国の不興を買ったようだ。
同州知事室は14日の声明で、「農民たちよ。空港を離れ、代わりに米国の巨大食品企業カーギルの倉庫や事務所に向かえ」と呼びかけた。「さあ、カーギルが仕掛けた穀物戦争に立ち向かえ!」
この発言は駐米大使を困惑させ、厳しい非難を招いた。
オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は15日の定例会見でこの事件に言及し、「農家の平和的なデモに介入するつもりはない」と主張した。
またオブラドール氏はカーギルを含む何千エーカーもの穀物畑を所有する企業や大規模農家を非難し、「小規模農家は犠牲者なのだ」と憤慨した様子で語った。「この戦争の背後にいるのは誰ですか?」
オブラドール氏は「我々は屈しない」と述べる一方、「空港占拠を終わらせるために武力を行使するつもりはない」と強調した。「私たちは大企業に非武装で抗議する農家の気持ちを理解しています!」
空港占拠を主導するデモ隊のリーダーはSNSにこう書き込んでいる。「農作物価格の低迷の責任を負う者たちに抗議するため、私と共に行動してください」
デモを主催するグルマ社(Gruma)は同国の多国籍企業である。
シナロア州のロチャ(Ruben Rocha)知事は15日、地元メディアにインタビューで自分の発言を擁護し、「空港ではなく、大きな産業グループの倉庫を占拠しよう」と語った。「私も彼らの気持ちを理解しています。一緒に行きましょう!」