◎メキシコでは何十年も前から、有名ブランドのジーンズやスニーカーから薬に至るまで、あらゆるものを偽造する組織が問題になっている。
メキシコの検察当局は4日、首都メキシコシティで米飲料大手コカ・コーラの空きボトル数万本と黒い砂糖水を押収したと発表した。
当局によると、ほとんどのボトルは空だったが、一部にはコカ・コーラのように見える黒い炭酸水が詰められていたという。
メキシコシティ警察は3日遅くに郊外の建物を家宅捜索。ボトルの他にホース、ポンプ、水を詰める装置、新しいボトルキャップなども押収した。
さらに、コカ・コーラのロゴが描かれた盗難車とみられる配送用トラックも見つかった。警察は建物の所有者を明らかにしていないが、一部のメディアは「麻薬カルテルとつながりのあるギャングの隠れ家」と伝えている。
検察庁の広報担当は、「この建物でコカ・コーラと似たソフトドリンクを製造しているという情報に基づき、家宅捜索した」と述べている。
それによると、捜査官はコカ・コーラのボトル約800本が入った木箱と、約2万本の新品に見える空ボトルを押収したという。
これがいわゆる「メキシカン・コーク」か否かは不明である。それを販売しているメキシコのコカ・コーラ・フランチャイズである飲料大手フォメント・エコノミコ・メヒカノ(FEMSA)は声明を出していない。
米通商代表部(USTR)は先月末、ひどく弱体化したメキシコの知的財産権および模倣品対策が近年さらに弱体化していると指摘した。
USTRは報告書の中で「悪名高い偽造品の蔓延は依然として重大な問題であり、国際犯罪組織の関与によって悪化している」と述べている。
またUSTRは「メキシコでは商標の偽造や著作権の侵害に対する刑事捜査・訴追は存在しないように見える」と断じた。
メキシコでは何十年も前から、有名ブランドのジーンズやスニーカーから薬に至るまで、あらゆるものを偽造する組織が問題になっている。その多くが強力な麻薬カルテルとつながりのギャングの支配下に置かれているとみられる。