◎麻薬カルテルやギャングはみかじめ料の支払いを拒否した市場や店舗に火を放つことがある。
メキシコ中部トルーカの公営市場が武装集団の攻撃を受け、市民少なくとも9人が死亡した。地元当局が10日、明らかにした。
それによると、覆面をした男たちは市中心部にある市場で銃を乱射した後、ガソリンとみられる液体をまき、火を放ったという。
男たちは現場から逃亡する際にも銃を乱射したと伝えられている。
検察当局は声明で、「警察はテロリストの襲撃に恐れをなして逃げ出した民間警備員に話しを聴いている」と発表したが、それ以上の詳細は捜査に支障が出るとして明らかにしなかった。
亡くなった9人のうち3人は18歳未満とされる。身元確認はまだ行われていないようだ。
地元メディアによると、犯行声明を出した麻薬カルテルもしくはギャングは確認されていないという。
トルーカの人口は約100万人。首都圏の一部であり、海外の観光客にも人気がある。
地元メディアによると、カルテルやギャングはみかじめ料の支払いを拒否した市場や店舗に火を放つことがあるという。
トルーカの検察当局は声明で、「初動捜査の結果、複数のギャングが市場の商業スペースの占有をめぐってトラブルになっていた可能性がある」と述べている。
トルーカと隣接する南部ゲレロ州では先週、州都チルパンシンゴとその周辺で4人の運転手が何者かに射殺される事件が発生していた。この事件もギャング間抗争とみられている。
チルパンシンゴでは先月、市中心部の通りに7人のバラバラ遺体が遺棄される事件も発生。現場にはギャングの脅迫文が残されていた。
7人の身元は明らかになっていないが、一部メディアはギャングの構成員と伝えている。
ゲレロ州は麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」、麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」、その他複数のカルテルおよびギャングによる縄張り争いの舞台となっており、そのうちのいくつかがチルパンシンゴの殺人に関与しているものとみられる。
地元のテレビ局は警察筋の話しとして、「ゲレロ州の抗争がトルーカに波及した可能性がある」と伝えている。