◎あるケースでは知人に「農場で働かないか」と誘われた少年がカルテルに入隊させられたという。
メキシコ北西部ソノラ州の政府当局は2日、複数の麻薬カルテルがソーシャルメディア上で若者を勧誘していると警告した。
ソノラ州は米アリゾナ州と国境を接し、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」を含む複数の麻薬カルテルやギャングが縄張り争いを繰り広げている。
ソノラ州検察によると、知人やソーシャルメディアでカルテルの求人を見た若者が事件に巻き込まれたという報告が多数寄せられている。
あるケースでは知人に「農場で働かないか」と誘われた少年がカルテルに入隊させられたという。
シナロア・カルテルを含む複数のカルテルが全国の若者を勧誘し、ライバル勢力との抗争に戦闘員として送り出しているとみられる。
ソノラ州検察は声明で、「カルテルは多額の給与を支払うと嘘をつき、若者を組織に取り込み、殺人などを強制している」と非難した。
また検察は「18歳未満の少年少女が事件に巻き込まれたケースも確認されている」と述べた。
メキシコの麻薬カルテルは過去にも戦闘員を集めるために偽情報を拡散してきた。
同時に、一見合法的に見えるビジネスにもカルテルが進出しているため、求人先とカルテルがつながっているかどうかを判断するのが難しいケースもあるようだ。