◎中部ベラクルス州の警察当局は28日、海岸沿いに放置された2台のトラックの中を捜索し、10数人分のバラバラ遺体を収容した。
メキシコ中部ベラクルス州の海岸で切断された多数の遺体が発見された。警察当局が29日、明らかにした。
それによると、警察は28日、海岸沿いに放置された2台のトラックの中を捜索し、10数人分のバラバラ遺体を収容したという。
遺体は荷台のクーラーの中に詰め込まれ、その一部には麻薬カルテルのものとみられる刻印が刻まれていた。
さらに、トラックには「グアテマラ人よ、故郷にとどまれ」という横断幕が取り付けられていた。
警察はベラクルス州で勢力を拡大するカルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」が遺棄に関与した可能性があるとみて捜査している。
警察によると、遺体の身元特定には数週間かかる可能性があるという。身元を示す証拠が残されていたかどうかは明らかにされていない。
一部の地元メディアは関係者の話しとして、「この地域で数週間前に消息を絶った移民グループがカルテル間抗争に巻き込まれたという情報がある」と伝えている。
ベラクルス州ではハリスコ新世代、麻薬組織「湾岸カルテル」、麻薬密輸組織セタスとつながりのある武装ギャングなどが縄張りを争っている。
報道によると、ハリスコ新世代は体力のあるグアテマラ移民、特に元警察官や陸軍兵士などを積極的にリクルートしている可能性があるという。
ベラクルス州政府は声明で、「この虐殺はカルテルもしくはギャング間抗争によるものとみられる」と指摘した。
ベラクルス州はセタスがライバル組織と血みどろの争いを繰り広げていた頃、メキシコで最も危険な州のひとつとされていた。