◎陸軍の特殊部隊は中西部ミチョアカン州の一部地域を支配する麻薬カルテルが設置した対人地雷や即席爆弾を解体する任務にあたる。
2月19日、メキシコ軍は中西部ミチョアカン州に陸軍の特殊部隊を派遣したと発表した。
軍の報道官によると、部隊は同州の一部地域を支配する麻薬カルテルが設置した対人地雷や即席爆弾を解体する任務にあたるという。
ミチョアカン州郊外の町アギリージャの農道や畑では数十個の地雷が見つかったと伝えられている。
AP通信によると、先週、同州の別の村で畑を耕していた農民が地雷に接触し死亡したという。警察は事件後、硝酸アンモニウムを含む即席爆弾が畑に設置されていたと明らかにした。
軍の報道官によると、これまでに発見された地雷には踏むと爆発するタイプ、無線や電話の信号で爆発するタイプ、瓶の中に化学物質と思われる液体を入れたタイプなどが確認されたという。
特殊部隊は地雷探査の一部をメディアに公開し、専用スーツを着た兵士が除去作業を実演した。
メキシコ陸軍は先々週、ハリスコ新世代カルテルの支配地域であるアギリージャに数カ月ぶりに入った。
その数日前、農道などに設置された即席爆発装置によって軍の車両が使用不能になり、兵士10人が負傷した。麻薬カルテルが軍相手に地雷や即席爆発装置を使用することは珍しくないが、兵士がそれで負傷したのは初めてと伝えられている。
ハリスコ新生代カルテルは2009年に誕生した比較的新しい麻薬カルテルで、数年で国内№2に成長し、№1のシナロアカルテルや他の武装勢力と激しく対立している。アギリージャにおいては、地元でビアグラス・ギャングと呼ばれている武装勢力と支配権を争っている。
ミチョアカン州はアボガドやライムの生産で数億ドル単位の収益をあげ、一部地域は麻薬の密輸ルートとして利用されており、麻薬カルテルが最も欲しがる地域のひとつと考えられている。
軍の報道官によると、ハリスコ新生代カルテルはミチョアカン州の支配を確立するために、ロケットランチャー、手りゅう弾、自家製装甲車、小型爆弾を投下できる改造ドローンなどを使っているという。
カルテルの爆弾搭載ドローンはミチョアカン州で地雷以上の恐怖を引き起こしている。現地メディアによると、ドローンが採用され始めた当時の爆破精度は極めて低かったという。
しかし、ドローンが一般的になるとカルテルの技術も向上し、爆弾を投下するタイプの他に、より強力な爆弾を搭載した自爆タイプが登場した。自爆ドローンは目的地に突入すれば勝手に爆発するため、最低限の操作技術があれば誰でも簡単に敵を攻撃できる。