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メキシコ大統領、米軍の対カルテル介入を拒否、トランプ氏に伝える

シェインバウム氏はトランプ氏との約15分間の通話後、「非常に良い会話ができた」と述べ、両政府は今後も安全保障問題で協力を継続することで一致したと説明した。
メキシコのシェインバウム大統領(左)とトランプ米大統領(Getty Images)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は12日、トランプ(Donald Trump)米大統領と安全保障関連の電話会談を行い、メキシコ国内で勢力を広げる麻薬カルテルに対し、米国による軍事介入は不要であり、同国の主権と領土保全が最優先だとの立場を改めて強調した。 シェインバウム氏はトランプ氏との約15分間の通話後、「非常に良い会話ができた」と述べ、両政府は今後も安全保障問題で協力を継続することで一致したと説明した。

この会談はトランプ氏が先週、FOXニュースのインタビューで、海路による薬物流入の97%を阻止したと明らかにしたうえで、陸路におけるカルテル対策として地上での軍事行動も辞さない姿勢を示したことを受けて行われた。トランプ氏は「カルテルがメキシコを支配している」と繰り返し述べ、必要ならば軍を派遣すると提案していたが、シェインバウム氏はこれを退けた。

シェインバウム氏はトランプ氏からベネズエラでの米軍の行動について意見を求められ、「メキシコ憲法は介入を認めておらず、我々はその介入に同意しない」と明確に述べたという。トランプ氏は「もし要請があれば軍による支援が可能だ」と再度申し出たものの、シェインバウム氏は「これまでの進展は順調であり、介入の必要はない。メキシコの主権と領土保全が重要だ」と応じ、トランプ氏もこの立場を理解したという。

メキシコのデラフエンテ(Juan Ramón de la Fuente)外相は12日、ルビオ(Maro Rubio)米国務長官と別途協議を行い、カルテル解体に向けた「具体的な成果」を求める米側の要求について議論したと発表した。米側は協力の強化を求める一方で、メキシコは殺人事件の大幅な減少や米国内でのフェンタニル押収量の減少、フェンタニル過剰摂取による死亡者数の改善など、治安面の成果を共有したとされる。

専門家の間では、メキシコへの米軍による介入は依然として現実的ではないとの見方が強い。これはメキシコが米国の求める対策を実施し、両国が強固な経済的結びつきを持つ重要なパートナー関係にあるためだとされる。しかし、トランプ氏が強硬な発言を続けることで、メキシコ政府への圧力や国境問題に関する政治的緊張が高まる可能性は指摘されている。

シェインバウム政権は自国の治安政策を重視しつつ、主権の尊重を最優先する方針を堅持しており、米国との安全保障分野での協力を維持しながらも、外部介入には断固反対する姿勢を明確にした。こうした外交的対話は両国の関係における重要な節目として受け止められている。

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