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2018キューバ航空機墜落事故、メキシコ裁判所が運航会社の責任認める


裁判ではメキシコのチャーター会社Aerolíneas Damojh(アエロリネアス・ダモジュ)が責任主体と認定された。
2018年5月18日/キューバ、首都ハバナ郊外、墜落した旅客機と捜査当局者(AP通信)

2018年にキューバで発生した旅客機の墜落事故を巡り、メキシコの裁判所は先月末、原告側の主張を認め、航空機の運航会社に賠償責任があるとの判断を下した。事故原因についてはこれまでの操縦ミス説を否定し、整備不良が背景にあったと認定した。

判決は3月31日付で出され、4月10日に内容が明らかになった。それによると、事故機は十分な整備が行われておらず、本来飛行すべき状態ではなかったという。専門家の報告はこれを「制度的事故」と位置付け、長期にわたる整備上の怠慢が積み重なった結果だと結論付けた。操縦士は「最後の防波堤」に過ぎず、低高度での墜落を防ぐことはできなかった。

裁判ではメキシコのチャーター会社Aerolíneas Damojh(アエロリネアス・ダモジュ)が責任主体と認定された。同社は裁判に出廷せず欠席のまま審理が進められた。判決は訴訟を起こしたメキシコ人乗務員4人の遺族に対し、それぞれ150万ドルの損害賠償を支払うよう命じた。一方で、保険会社については賠償責任はないとされた。

事故は2018年5月、首都ハバナの国際空港を離陸直後に発生した。ボーイング737型機は空港近郊の畑に墜落し、乗員乗客113人のうち112人が死亡した。キューバで近年最悪規模の航空事故となり、犠牲者の多くがキューバ人であった。

この事故を巡っては、キューバ当局が当初、操縦ミスを原因とする調査結果を公表していた。しかしメキシコ側で実施された独立調査はこれと異なる結論を導き、機体の整備状態や運航会社の管理体制に重大な問題があったと指摘した。事故機は過去にも運用上の問題が指摘され、同社はメキシコ国内で運航停止処分を受けたこともあった。

原告側の弁護士は今回の判決について「画期的な判断」と評価し、事故当初から整備責任を追及してきた主張が認められたと強調した。また同社が破産手続きを進めている可能性にも言及し、不正な資産逃れがあれば刑事責任も追及する姿勢を示した。

現在、この訴訟とは別に、全犠牲者を対象とする集団訴訟や業務上過失致死に関する刑事告発も進められている。ただし、メキシコ当局の捜査はキューバ側の協力不足により停滞しているとされ、全容解明にはなお時間を要する見通しである。

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