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メキシコ・カルテル首領殺害、検察が遺族に遺体を返還

エル・メンチョは2月22日、メキシコ軍による軍事作戦で殺害された。
2026年2月23日/メキシコ、西部ハリスコ州グアダラハラ(ロイター通信)

メキシコの検察当局は2月28日、麻薬カルテル「ハリスコ新世代(CJNG)」の首領ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンチョ)容疑者の遺体を親族に引き渡したと発表した。当局は遺体の身元確認のために遺伝子検査を実施し、親族との関係が確認されたことから遺体返還を決定したが、引き渡しが行われた具体的な場所は明らかにしていない。

エル・メンチョは2月22日、メキシコ軍による軍事作戦で殺害された。この作戦は西部ハリスコ州タパルパで実施され、激しい銃撃戦の末に死亡が確認された。その死は国内外で大きな注目を集め、作戦後にはCJNGによる報復的な暴力が各地で相次いだ。報復行為は道路封鎖や放火、治安部隊への襲撃など多岐にわたり、多数の死傷者を出したと報じられている。

CJNGはメキシコ最大級の麻薬組織の一つであり、合成麻薬フェンタニルやメタンフェタミンなどの違法薬物の密輸を中心に広範な犯罪活動を展開してきた。米政府もエル・メンチョの逮捕に1500万ドルの報奨金を提示していたほか、この軍事作戦には米国の情報機関や治安当局と連携した作戦も含まれていたと伝えられている。

遺体返還の発表はエル・メンチョの死から1週間余りが経過したタイミングで行われた。検察当局は遺体と親族の確認に必要な法的手続きを順守し、遺体が適切に引き渡されたと説明していた。一般的に、遺体を親族に引き渡すには、血縁関係を示す公式な書類や身元確認のための鑑定が必要である。

エル・メンチョの死はメキシコ政府の長年の治安闘争における重要な節目とみなされているが、その後もカルテルによる暴力の連鎖は続いているとの指摘がある。治安当局はカルテルの組織構造や資金源に対する圧力を強めているものの、組織内部の勢力争いや新たな後継者の台頭により治安情勢の不安定さは依然として高い。専門家は首領の死が必ずしも組織の壊滅に繋がるものではなく、暴力の激化や勢力分散といった新たなリスクを生む可能性があると分析している。

メキシコ政府は今回の遺体返還を一つの節目と位置付けつつ、引き続きカルテル犯罪への対応と治安回復に努める方針を示している。しかし、治安部隊への攻撃や一般市民への被害が続く中、社会全体の平穏を取り戻すには時間を要する見通しだ。

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