コスタリカ大統領選、右派のフェルナンデス氏が勝利
フェルナンデス氏の政権が具体的にどのような政策を展開し、治安や国の制度改革にどう取り組むかが今後の焦点となる。
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中米コスタリカで2月1日に行われた大統領選について、チャベス(Rodrigo Chaves)大統領の後継者である右派のラウラ・フェルナンデス(Laura Fernández Delgado、39歳)氏が勝利し、前政権のポピュリスト路線を継続し、治安対策や政治改革を推進すると誓った。フェルナンデス氏は1日の選挙で40%を超える得票を獲得し、決選投票を回避して次期大統領に決まった。選挙は治安悪化や麻薬犯罪の増加が主要争点となり、国民の不安が強まる中での勝利となった。
フェルナンデス氏はチャベス氏の後継候補として党内外から支持を受けた。チャベス氏は憲法上再選が認められないため立候補していない。フェルナンデス氏はチャベス政権で大統領府相や首席補佐官などを歴任。チャベス氏の政治路線を受け継ぎ、治安強化や国家改革を掲げる点で一貫した政策継続を強調している。
フェルナンデス氏の政治的立ち位置は右派ポピュリスト色が強く、支持基盤には保守的なカトリック信者や成長著しい福音派グループが含まれている。選挙運動では治安対策の強化を掲げ、特にエルサルバドル大統領が実施した強硬な犯罪対策をモデルとした方策を導入する考えを示している。これには、犯罪多発地域での非常事態宣言や市民の自由制限につながる措置も含まれ、支持者の一部から強い支持を得ている。
一方で、野党側はフェルナンデス氏をチャベス氏の「操り人形」と批判し、独立した指導力の欠如を指摘している。与党支持者の一部は、彼女が政策遂行においてチャベス氏の影響力が強いことを否定しないものの、それでも現政権の方針を継続することが国の安定に寄与すると主張している。
フェルナンデス氏は勝利宣言で「変革は深く、不可逆的なものになる」と述べ、コスタリカが新たな政治時代に入ったとの認識を示した。またフェルナンデス氏は国民に向けて「第二共和国は過去のものとなり、我々が”第三共和国”を築く」と表明し、憲法や制度改革を進める意向を強調した。改革の具体的な内容はこれから明らかになるが、治安や司法制度の見直し、政府機関の強化などが焦点になるとみられている。
歴史的に安定した民主主義国家とされるコスタリカだが、近年は麻薬密輸や暴力犯罪の増加により治安が悪化し、有権者の不満が高まっていた。フェルナンデス氏の勝利は、こうした安全保障への不安が政治的変化の原動力となった側面を反映している。
フェルナンデス氏は同国で2人目の女性大統領となる見込みで、5月8日に就任予定だ。与党・国民主権党は議会選でも勝利し、政権運営の基盤を強化する方向にある。ただし、議会で絶対多数を得るかどうかは不透明で、今後の立法課題や憲法改革を進めるうえで野党との協議が重要になるとみられている。
フェルナンデス氏の政権が具体的にどのような政策を展開し、治安や国の制度改革にどう取り組むかが今後の焦点となる。支持者は安定と秩序の回復を期待する一方で、批判者は民主的チェック機構の弱体化を懸念しており、コスタリカ政治の新たな局面が注目される。
