◎国連安保理は昨年、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認した。
東アフリカ・ケニアの警察官約400人が中米ハイチに向けて出発した。現地メディアが24日に報じた。
警察官たちはギャングの支配下に置かれる首都ポルトープランスなどで国連PKOを率い、ハイチ国家警察を支援する。
国連安保理は昨年、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認した。
部隊は今月末までに現地入りする予定であったが、ケニア警察が活動する基地建設の遅れや、装甲車を含む主要装備の調達が遅れ、1カ月延期された。
ケニアは約1000人の警察官を派遣する予定だ。約400人が第一陣としてまもなく現地入りする。
ケニアの高等裁判所は今年2月、「安保理の決定に基づきハイチにケニアの警察官を派遣することは違憲である」と裁定。この裁判は現在、最高裁で争われている。
バイデン(Joe Biden)米大統領はケニアのルト(William Ruto)大統領と会談した際、ケニアのリーダーシップに謝意を表明した。米国はこのミッションに3億ドルを供出する。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
国連はこの抗争で2500人以上が死傷、50万人以上が住居を失ったと推定している。