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ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
2024年7月3日/ハイチ、首都ポルトープランス、ケニア国家警察の隊員(AP通信)

中米ハイチの国連支援ミッションを率いるケニア国家警察の隊員2人がこの1週間のギャングとの戦闘が重傷を負った。現地メディアが1日に報じた。

同ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加している。

先週には首都ポルトープランスをパトロール中のケニア警察官が待ち伏せ攻撃を受け、その後、死亡が確認された。同ミッションの犠牲者はこれで2人となった。

ロイター通信は関係者の話しとして、「負傷した隊員2人はポルトープランスの定期パトロール中に攻撃を受けた」と伝えている。

AP通信は武装ギャングが空き家からパトロール隊に向けて発砲したと報じた。2人は隣国ドミニカに搬送され、治療を受けているという。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。

ロイターの取材に応じたケニア当局者は「ギャングの攻撃頻度は高まっており、装備が足りない」と語った。

それによると、隊員の1人は銃弾がヘルメットを貫通し負傷、もう1人は装甲車を貫通した銃弾が耳に当たったという。

米国やその他の国々は昨年6月に始まった同ミッションの人員と資源が不足していると警告し、平和維持活動(PKO)への格上げを提案している。

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