◎ケニアは国連ハイチPKOを率い、今年6月に先発隊として警察官400人を派遣。ハイチ国家警察を支援している。
アフリカ東部・ケニアのルト(William Ruto)大統領が21日、中米ハイチの首都ポルトープランスに到着した。
ルト氏は両国の政府関係者と共に空港内にあるケニア国家警察の基地に向かい、ギャングと戦う警察官たちを激励した。
地元メディアによると、ルト氏は22日にコニーユ(Garry Conille)首相ら政府高官と会談する予定。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ケニアは国連ハイチPKOを率い、今年6月に先発隊として警察官400人を派遣。ハイチ国家警察を支援している。
今月初めには隣国ジャマイカからも約20人の警察官と陸軍兵士が到着した。
しかし、国連の専門家はPKOの要員と装備が明らかに不足していると警鐘を鳴らしている。
バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャドも部隊の派遣を表明しているが、時期は明言していない。米国は同PKOに3億ドルを拠出する予定だ。
国連のハイチ担当は前日、PKOの資金・人員不足が解消せず、ギャングの暴力が全土に広がっていると警告した。
PKOが最後にハイチに駐留していたときにはコレラが蔓延し、性的虐待事件も多発。大きな社会問題となった。
国連によると、今年1~5月までに全土で殺害された市民は3200人以上。この1年半で50万人以上が住居を失ったと推定されている。4~6月末の間に死傷した市民は約1400人。さらに428人が誘拐され、行方不明になっている。