◎ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
2024年9月12日/ハイチ、首都ポルトープランス、ジャマイカ陸軍の兵士(AP通信)

中米ジャマイカの陸軍兵士20人と警察官4人が12日、隣国ハイチの首都ポルトープランスに到着し、ケニア国家警察が率いる国連PKOに合流した。

国連安全保障理事会は昨年10月、全会一致でハイチにPKOを派遣することを承認。ケニアが部隊を率いることになった。

ジャマイカはこのPKOに要員を派遣した2番目の国であり、ケニアの警察官約400人と連携してハイチ警察を支援する。

ジャマイカ政府によると、ポルトープランスの式典には中米ベリーズの軍幹部2人も出席したという。

ジャマイカの部隊は軍の専用機でポルトープランス入りし、式典に出席した。

ジャマイカホルネス(Andrew Holness)首相は10日の記者会見で、「この24人は指揮、計画、後方支援を担当する」と述べていた。

またホルネス氏は「我が国は合計170人の陸軍兵士と30人の警察官を派遣すると約束しているが、一度に全員を派遣することは不可能である」と強調した。

PKOはポルトープランスの80%を支配する強力な武装ギャングと戦うことになる。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャドも警察官と兵士の派遣を表明しているが、その時期は明言していない。

このPKOの年間費用は6億ドルと見積もられている。国連は加盟国が約束した支援8500万ドルのうち6800万ドルしか受け取っていない。米国は3億ドルを拠出すると約束している。

ハイチ政府は米国とカナダにこのミッションを率いるよう求めている。

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