ジャマイカ、キューバとの医療協力プログラムを終了へ
キューバは長年にわたり医師や看護師を海外に派遣する「医療ミッション」を展開し、多くの発展途上国の医療体制を支援してきた。
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ジャマイカ政府は5日、長年続いてきたキューバとの医療協力プログラムを終了する方針を明らかにした。外務省が発表したもので、両国が新たな協定の条件で合意できなかったことが理由としている。カリブ地域ではキューバの医療派遣制度を見直す国が相次いでおり、今回の決定はその流れを示す動きとなった。
発表によると、ジャマイカとキューバはこれまで医療分野で協力関係を築き、キューバの医師や医療従事者がジャマイカ国内の病院や医療施設で活動してきた。しかし、新たな枠組みの条件について協議を続けたものの、双方の立場が一致せず、プログラムを終了することになった。
ただし、現在ジャマイカで働いているキューバ人医療従事者については、契約期間が満了するまで勤務を続けることが認められる。政府は急激な医療体制の変化を避けるため、段階的な移行を図る方針とみられる。
ジャマイカのホルネス(Andrew Holness)首相によると、同国には300人余りのキューバ人医師や医療専門家が勤務している。現在の協定は2023年に期限を迎えていたが、その後も既存の契約に基づき医療従事者が活動を続けていた。
キューバは長年にわたり医師や看護師を海外に派遣する「医療ミッション」を展開し、多くの発展途上国の医療体制を支援してきた。ジャマイカでもこの協力は半世紀以上続き、公共医療システムを支える重要な柱とされてきた。
一方で近年、米政府はこの医療派遣制度について、労働搾取や強制労働につながる可能性があると批判し、関係国に制度の見直しを求めてきた。こうした圧力を背景に、中米やカリブ地域では協力関係を縮小する動きが広がっている。
実際、2026年2月にはグアテマラとホンジュラスがキューバ医師派遣プログラムの終了を発表し、カリブ海地域のバハマも米国との協議を受けて契約の打ち切りを検討している。ジャマイカの決定はこうした地域的な政策転換の一環とみられている。
医療人材の不足が課題となるジャマイカにとって、キューバ医師の存在は重要だった。今後、政府は国内人材の育成や他国からの医療人材確保など、新たな体制の構築を迫られる可能性がある。長年続いた協力関係の終了は、同国の医療政策や地域外交にも影響を及ぼすとみられている。
