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メキシコ麻しん(はしか)流行、9000人感染、28人死亡

感染者数は9000人を超え、国内各地で感染拡大が続いている。
麻しん(はしか)ワクチン(Getty Images)

メキシコ保健当局は11日、2025年に始まった麻しん(はしか)の大規模な流行により、これまでに少なくとも28人が死亡したと発表した。感染者数は9000人を超え、国内各地で感染拡大が続いている。中央政府は全国的なワクチン接種キャンペーンを展開し、感染抑止に全力を挙げているが、対策の強化が求められている。

この麻しん流行は2025年にメキシコ北部の州から始まり、その後全国へと拡大した。保健省によると、これまでに9074人の感染が報告され、人口10万人当たりの累積感染率は6.7人に達している。死亡者には幼児や基礎疾患のある高齢者が含まれ、重症化リスクが高い集団での感染例が多数確認されている。

政府は流行終息のため、約2800万回分の麻しんワクチンを全国で配布中。関係当局はワクチン供給量について、「国内需要を満たし、余剰分もある」と強調しているが、地域によっては接種率が依然として十分でないとの指摘もある。伝統的にワクチン接種率の低い地域やコミュニティを中心に感染が拡大しており、政府は追加的な接種促進策を検討している。

一方で、今年6月に米国・メキシコ・カナダで共同開催されるFIFAワールドカップについて、メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は11日の定例会見で、「現時点で大会に向けた特別な公衆衛生上の措置は予定していない」と述べた。ただし、国内での感染動向次第では対策方針が見直される可能性もあるとしている。

流行の背景にはワクチン接種率の低下があり、専門家は国民への啓発不足やワクチン忌避の影響を指摘している。麻しんは感染力が強く、予防には高いワクチン接種率が不可欠だ。世界保健機関(WHO)は95%以上の達成を長年呼びかけてきたが、近年はその水準を維持できていない国や地域が増えている。

米国やカナダでも類似の流行が確認され、米州全体での感染拡大が公衆衛生上の懸念事項となっている。WHOの米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は地域における麻しんの患者急増に対して疫学的な注意喚起を発出し、多くの国でワクチン接種強化や感染監視体制の拡充が求められている。

メキシコ国内では一部の州で学校や公共施設における健康スクリーニングやマスク着用の推奨など予防措置も実施中、地域ごとに状況に応じた対応が進められている。しかし、感染拡大のスピードと国際的な人の移動の活発化により、今後の感染抑制にはさらなる努力と市民の協力が不可欠であるとの声が上がっている。

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