◎エルサルバドルは昨年9月に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用した。
1月25日、国際通貨基金(IMF)はエルサルバドル政府にビットコインを法定通貨から除外するよう求めた。
IMF理事会は25日の声明で、「ビットコインは金融と市場の完全性に深刻なリスクをもたらす」と述べ、ビットコインを法定通貨に追加する国が増える可能性を考慮し、規制と監督を強化する必要があると強調した。
また理事会は、「ビットコインによる債権の発効」にも深刻な懸念を表明した。
エルサルバドルは昨年9月に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用し、国内の企業は新しい法律に基づき、ビットコインの取り扱いを開始した。
IMFはリスクの詳細を明らかにしなかったが、IMFの米国関連部門の責任者であるマヌエル・オロスコ氏はソーシャルメディアに、「ビットコインは国の財政赤字を増加させる可能性がある」と投稿した。
またオロスコ氏は、「エルサルバドル政府はビットコインを市場に投入したが、国民の大多数は暗号通貨をあまり信用していないように見える」と付け加えた。
エルサルバドル議会はビットコインの信用度を上げるために、1億5,000万ドル相当のビットコイン信託基金創設を承認している。
しかし、オロスコ氏は「ビットコインの規制は明らかに欠如しており、それを利用する国民が保護されていないことは明らか」と指摘した。「通貨を規制、監督、管理することが最も重要です。しかし、エルサルバドルの経済は非常に弱い!」
進歩主義者のナジブ・ブケレ大統領はビットコインがエルサルバドルの金融、投資、観光、その他の産業に革新的な発展をもたらすと述べている。
ブケレ大統領は昨年11月に開催されたイベントの中で、「小国エルサルバドルにはできないと言わないでください」と述べ、喝采を浴びた。
しかし、エルサルバドルの経済を調査しているグループや投資家によると、人口の約70%(主に低中所得者層)はビットコインをほとんど利用していないという。
しかし、ブケレ大統領はエルサルバドルの富を増やし、経済成長を後押しするためには暗号通貨の流通を促進する必要があると述べ、市民にビットコインに「投資」するよう促した。
エルサルバドルは中米で最も貧しい国のひとつであり、2020年の名目GDPは前年比10%減だった。