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大西洋でハリケーン・ハンベルト発生、新たな低気圧も 米・カリブ諸国に影響

米国とカリブ諸国におけるハリケーンシーズンは、毎年6月1日から11月30日までと定められている。
2025年9月26日/大西洋で発生したハリケーン・ハンベルト(NOAA/AP通信)

国立ハリケーンセンター(NHC)は26日、大西洋上でハリケーン・ハンベルトが発生し、さらに別のハリケーンが今後数日中に米国南東部に大雨をもたらす可能性があると発表した。

ハンベルトの26日正午時点の最大風速は35メートル、大西洋中央部で急速に勢力を強めている。リーワード諸島の北東約725キロに位置し、ゆっくりとした速度で北西に移動中だ。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:風速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:風速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:風速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:風速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:風速 70~(m/s)

週末にかけて、リーワード諸島北部、バージン諸島、プエルトリコ、英領バミューダの一部地域に影響を及ぼし始める可能性がある。

ハンベルトの西側でも新たな熱帯低気圧が形成される見通し。NHCはこれがハリケーンに発達し、バハマやキューバ、米国南東部に大雨をもたらす可能性があると予想している。

ドミニカ共和国では一部地域で大雨となり、5つの地域に警報が発令中。数百人が避難を余儀なくされ、1人が死亡した。

米サウスカロライナ州当局は26日、沿岸の地方自治体に大雨や高潮に警戒するよう呼びかけた。熱帯低気圧の進路はまだ確定していない。

米国とカリブ諸国におけるハリケーンシーズンは、毎年6月1日から11月30日までと定められている。この期間は大西洋の海水温が高まり、熱帯低気圧が発生しやすくなるため、特に8月から10月にかけて活動が最も活発となる。

米国ではメキシコ湾岸やフロリダ半島、カロライナ沿岸が主な被害地域であり、洪水や高潮、強風による住宅破壊やインフラ被害が頻発する。

カリブ諸国も直撃を受けることが多く、小規模島嶼国では経済や社会に壊滅的打撃をもたらす場合が少なくない。国際機関や各国政府は予測技術を強化し、早期警報システムを用いた避難体制の整備を進めているが、災害リスクは依然として高い。

また近年は地球温暖化の影響で海水温が上昇し、ハリケーンの規模や降雨量が増大する傾向が指摘されている。そのため、米国やカリブ諸国では防災対策に加え、気候変動適応策を取り入れた長期的な備えが課題となっている。

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