▽CKハチソンはパナマ運河をめぐる米中の対立に巻き込まれている。
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中米パナマの運河の港を保有する香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスは9日、12億ドルの支払いを怠ったという会計検査院の告発を否定した。
会計検査院は7日、CKハチソン傘下のパナマ港湾会社(PPC)の監査で、25年間の港湾契約で不正が見つかったと発表した。
PPCは1997年からパナマ運河の両端の港を運営し、2021年に契約期間をさらに25年間延長した。
会計検査院は不正の詳細を明らかにしていないが、PPCが組織的に12億ドルの支払いを免れたとみて調査している。
PPCは9日の声明で、「弊社は1997年に調印された契約で義務付けられていた5000万ドルの投資を上回る、16億9000万ドルを超える多額の投資を行った」と弁明した。
それによると、PPCは契約に基づき、港への投資を実施。双方が最低ラインに定めていた10億ドルを上回る投資を行ったという。
またPPCは会計検査院が2020年の立ち入り検査でこれが事実であることを確認したとしている。
CKハチソンはパナマ運河をめぐる米中の対立に巻き込まれている。
トランプ(Donald Trump)米大統領はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
またトランプ氏は「パナマ政府が約束を破り、運河を中国に譲り渡した」と主張。返還しなければ「相応の措置を取る」と警告してきた。
パナマ運河は政府機関であるパナマ運河庁によって管理されている一方、CKハチソンが運河の両端にある2つの港の運営権を保有している。
CKハチソンは先月初め、パナマの資産を含む228億ドルの港湾事業の大部分を米国の投資会社ブラックロック率いる連合体に売却することで合意したと発表。米政府はこれを歓迎し、中国は不満を表明した。