◎ホンジュラスのギャングは中南米の麻薬カルテルなどと共謀して麻薬や銃を密売し、治安を乱している。
2022年9月20日/米NYの国連本部、ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領(Jason DeCrow/AP通信)

ホンジュラスのシオマラ・カストロ(Xiomara Castro)大統領は25日、国内で活動するギャングを取り締まるために議会に非常事態宣言を発令するよう提案した。

議会がこれを承認すれば、ホンジュラスは隣国エルサルバドルに次いでギャング非常事態を宣言する国となる。

ホンジュラスのギャングは中南米の麻薬カルテルなどと共謀して麻薬や銃を密売し、治安を乱している。

カストロ氏は議会に対し、憲法を一部制限し、ギャングの取り締まりを強化するよう提案した。

またカストロ氏はギャングの暴力、恐喝、殺人が多発していることに深刻な懸念を表明し、「犯罪を根絶する」と表明した。

警察や軍の権限を一部強化する非常事態宣言の発令には議会の承認が必要である。

首都テグシガルパのバス運転手はAP通信の取材に対し、「ギャングの嫌がらせや脅迫にウンザリしている」と語った。「やつらに金を払わなければ殺されます。この業界は何年も前からギャングの取り締まりを強化するよう政府に求めていました...」

警察当局によると、今年ギャングに殺害されたバス運転手は確認できているだけで50人に達したという。

カストロ氏は宣言の詳細を明らかにしなかったが、地元メディアは政府筋の話を引用し、「逮捕や家宅捜索に必要な手続きが簡素化され、集会も禁じられる可能性がある」と報じた。

隣国エルサルバドル政府は3月下旬にギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャングの取り締まりを強化した。

エルサルバドルの市民はこの措置を歓迎し、治安が改善したと喜んでいる。報道によると、3月下旬以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は5万8000人を超えたという。

しかし、人権団体は人権を侵害する取り締まりが横行していると非難している。それによると、警察の人権侵害は数千件に達し、ギャング少なくとも80人が拘留中に死亡しという。

2022年3月29日/エルサルバドルの刑務所に移送されるギャング(Fred Ramos/The Washington Post)
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