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ホンジュラス政府、中国との関係見直しへ、2023年に台湾と断交も

1月末に就任した右派のアスフラ大統領は中国との協定の再検討を関係閣僚に指示し、台湾との外交関係を回復する可能性が取り沙汰されている。
2026年1月27日/ホンジュラス、首都テグシガルパ、アスフラ大統領(AP通信)

中米ホンジュラスで中国と台湾のどちらとの関係を重視するかを巡る外交政策の見直しが進んでいる。1月末に就任した右派のアスフラ(Nasry Asfura)大統領は中国との協定の再検討を関係閣僚に指示し、台湾との外交関係を回復する可能性が取り沙汰されている。背景には経済的利益への期待と現実とのギャップ、そして米国主導の対中戦略がある。

ホンジュラスは長年台湾と外交関係を維持してきたが、2023年に当時のカストロ(Xiomara Castro)大統領が台湾と断交、中国と国交を樹立した。中国からの投資や市場拡大への期待が理由だったが、実際には期待された経済効果は十分に実現していないとされる。

特に打撃を受けたのがエビ養殖産業である。台湾はホンジュラス産白エビの主要輸出先であったが、断交後に輸出が急減。2022年に1億ドル以上あった対台湾輸出は2025年には約1600万ドルまで落ち込んだ。業界団体によると、この影響で少なくとも95の養殖場と加工施設が閉鎖され、約2万5000人の雇用が失われたという。中国市場が代替先として期待されたものの、価格競争などの面で十分な需要を得られなかった。

こうした状況を受け、エビ養殖業者などからは台湾との関係回復を求める声が高まっている。一方で、中国はホンジュラスに数億ドル規模の投資を行っており、同国は中国主導の「一帯一路」構想にも参加しているため、政策転換は容易ではない。中国との関係を見直す場合、既存の投資や協定をどう扱うかが大きな課題となる。

また、この問題は中米地域における米中競争とも密接に関係している。アスフラ氏はトランプ(Donald Trump)大統領の支持を受け、支持を伸ばした。米国は中南米における中国の影響力拡大を警戒している。専門家はホンジュラスが台湾との関係を再構築するかどうかは、台湾そのものよりも米国との関係強化を重視した政治的判断になる可能性が高いと指摘する。

中国、台湾、米国の思惑が交錯するなか、ホンジュラスの外交方針は地域の勢力バランスにも影響を与える可能性がある。アスフラ政権がどのような判断を下すかは、中南米における国際政治の行方を占う重要な試金石となりそうだ。

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