ホンジュラス大統領選、選管が「特別集計」を開始、緊張高まる中
集計が停滞した背景には、結果をめぐる争いと一部地域での抗議デモがある。
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ホンジュラスの選挙管理委員会は18日、先月末に実施された大統領選挙の一部票の再集計を開始したと明らかにした。集計対象は2792個の投票箱で、集計が長引いたことから、政治的不確実性が高まる中での対応となっている。
今回の特別集計は大接戦であることや集計システムの不具合を受けて手作業で実施され、全国およそ340万人の有権者の支持がどの候補に集まるかが改めて焦点となっている。
選管は声明で、「この特別集計は国内外の監視員の立ち会いの下で実施されている」と説明。これまでに99.80%の票が集計されているものの、主要2候補の差は4万票ほどであり、結果の確定を求める国内外の圧力が高まっている。この集計にどの程度の時間を要するかは不明である。
集計が停滞した背景には、結果をめぐる争いと一部地域での抗議デモがある。特に与党・自由復興党(LIBRE)の支持者たちは不正を主張し、票の完全な再集計を求めてデモを行ってきた。
これに対し選管は法的根拠がないとしてこの要求を退けているが、一部では集計プロセスそのものへの信頼が揺らいでいるとの指摘も出ている。
米国政府は選挙結果の迅速な確定を強く求めている。トランプ政権は18日、ホンジュラス政府に対して「即座に結果を確定すべきだ」との声明を発表した。米国務省は前夜、集計を遅延させるいかなる行為も「厳しい結果をもたらす」と警告するとともに、「340万人の声を尊重しなければならない」と強調した。
トランプ(Donald Trump)は右派の国民党アスフラ(Nasry Asfura)氏への支持を公言し、その影響をめぐる論争が国内外で広がっている。
現時点での暫定結果では、アスフラ氏の得票率が40.5%、中道のナスララ(Salvador Nasralla)氏が39.3%で追う形となっている。LIBREのリキシ・モンカダ(Rixi Moncada)前国防相は19.3%にとどまった。
現職のカストロ(Xiomara Castro)大統領は困難な状況下でも法と平和を尊重し、選挙結果を受け入れる意向を示している。カストロ氏は演説で「法律と共和国憲法を尊重し、国の平和を守るために結果を尊重する」と述べたが、与党支持者の間には依然として不満の声が根強い。
特別集計の結果と勝者の確定は、ホンジュラス国内の政治的安定のみならず、中米地域における民主主義への信頼にも大きな影響を与える可能性がある。選管は年内の結果発表を目指しているが、情勢は依然として不透明である。
