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ホンジュラス大統領選、膠着状態続く、特別再集計へ

この再集計は開票プロセスにおける不規則性を解消し、接戦状態の票差によって生じている膠着状態を打開することを目的としている。
2025年11月30日/ホンジュラス、首都テグシガルパの投票所(ロイター通信)

中米ホンジュラスで11月30日に行われた大統領選挙について、12月11日時点で結果が確定せず、選挙管理当局は不一致のある票の検証と再集計作業を進める「特別再集計」を12月12日から開始する見込みである。

この再集計は開票プロセスにおける不規則性を解消し、接戦状態の票差によって生じている膠着状態を打開することを目的としている。

選挙管理委員会の広報担当は地元ラジオ局のインタビューで、「12日金曜日から再集計作業を開始できる可能性がある」と語った。開票率99%超の時点で、トランプ(Donald Trump)米大統領の支持を受ける右派の国民党ナスリ・アスフラ(Nasry Asfura)氏の得票率は40%、中道のナスララ(Salvador Nasralla)氏は39%、両者の差は約4万2000票となっている。

左派の与党・自由復興党(LIBRE)のリキシ・モンカダ(Rixi Moncada)前国防相は20%、逆転の可能性はほぼゼロである。

問題となっているのは、およそ15%の票に矛盾や不一致が見つかった点で、この部分には選挙結果を左右するだけの票が含まれているとみられている。広報担当は「特別再集計の検証結果を3日以内に公表できると期待している」と語った。

この特別再集計の実施決定は、ホンジュラス国内での政局不安を受けた動きでもある。議会の常設委員会は10日、強い疑念を理由として選挙結果の承認を拒否する意向を表明した。議会側は選挙プロセスが信頼できないとし、トランプ氏による干渉の影響を指摘、「選挙クーデター」と断じる批判も出ている。

また、現職のカストロ(Xiomara Castro)大統領やナスララ氏も開票過程での不正やシステムトラブルを訴え、結果の透明性に懸念を表明。これに対して米国政府は開票状況を注視しており、不規則性があれば迅速かつ断固とした対応(制裁)を取ると警告している。

今回の特別再集計では矛盾が見られた票の再検証が行われ、投票箱ごとに改めて票を数え直す作業が進められる見込みである。このプロセスは各政党代表、国際観察団、検査会社代表などを含む特別検証委員会によって監視されるとみられる。作業は休まず継続して行われ、検証・再集計が完了し次第、正式な選挙結果が発表される予定である。

ホンジュラス大統領選は本来12月30日までに結果が確定し、新大統領が2026年1月に就任する見込みであるが、混乱が続いた場合にはこの期限も危ぶまれている。国民の間には開票の遅れや不透明さに対する不満が高まっており、特別再集計への期待と懸念が交錯する中、国内外の注目が集まっている。

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